「青春18きっぷ」の完全ガイド! 購入方法、価格、使い方、新ルール、乗り継ぎのコツまで徹底解説! 乗り放題でお得な鉄道旅へ
北は北海道から南は鹿児島県まで、全国各地のJR線が普通・快速列車で乗り放題となる「青春18きっぷ」。2024年度冬季の発売以降、ルールが大きく変わりましたが、幅広い年齢層に人気があるお得な切符であることには変わりありません。この記事では、「青春18きっぷ」の最新ルールや価格、購入方法といった基本情報から、乗り継ぎのコツや特例区間まで、お得な鉄道旅を楽しむための情報を徹底解説します。
青春18きっぷとは?

「青春18きっぷ」は、全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリー(※別途現地にて宮島訪問税100円が必要)が乗り放題になる切符で、春・夏・冬に発売されています。
1984年の夏季以降「1日分×5回分」の切符を販売してきましたが、2024年度冬季の発売からリニューアル。「5日間用」にプラスして「3日間用」も販売されるようになり、連続した5日間(もしくは3日間)利用するルールに。また、自動改札機を利用できるようになりました。
「青春18きっぷ」の由来
インパクトのあるネーミングは、国鉄時代の1982年に発売が開始された「青春18のびのびきっぷ」が元になっていて、翌1983年「青春18きっぷ」に改名されました。名称の通り、学生が長期休暇期間中に鉄道旅を楽しむイメージで生まれた商品ですが、年齢制限はなく、幅広い世代に愛され続けています。
青春18きっぷの販売期間と利用期間
青春18きっぷは常時購入できるきっぷではなく、毎年春・夏・冬の3回発売されています。例年の利用期間は、以下のとおりです(販売開始時期は、利用開始の2~3週間前が目安です)。
・春季用
利用期間:3月上旬~4月上旬頃
・夏季用
利用期間:7月下旬~9月上旬頃
・冬季用
利用期間:12月上旬~1月上旬頃
【2025年夏季「青春18きっぷ」】価格と期間の早見表
・価格: 3日間用 10,000円、5日間用 12,050円
・発売期間: 3日間用が、2025年7月4日〜9月7日、5日間用が7月4日〜9月5日
・利用期間: 3日間用・5日間用ともに2025年7月19日〜9月9日
学割や子ども料金は適用されません。
青春18きっぷの購入方法
青春18きっぷは、全国のJRの主な駅(指定席券売機を含む)、JRの旅行センター、主な旅行会社で購入が可能です。
JR駅にある指定席券売機を利用して購入する場合、指定席券売機のトップ画面から「おトクなきっぷ」「おトクなきっぷの購入」の順に選択をすると「青春18きっぷ」の選択画面が出てきます。3日間か5日間か、使用人数(枚数)や乗車日を選んで購入しましょう。
青春18きっぷの基本的なルールと注意点
前述の通り、青春18きっぷは2024年度冬季の発売時にリニューアルが行われ、ルールが大きく変わりました。どのような点が変わったのか、最新の基本ルールを見ていきましょう。
自動改札機を利用できる
2024年度冬季のリニューアルで変わった大きなポイントが、自動改札機を利用できるようになったこと。通常の切符と同じように改札を行き来できます。
1人1枚のきっぷが必要
2024年夏季までの青春18きっぷは、1枚のきっぷで5回(5日)利用できるルールだったため「5人家族で1枚のきっぷを1日で使い切る」「2人で2日間利用し、残りの1回は別日に1人で利用する」といった使い方ができました。現在は1人1枚のきっぷが必要で、1枚のきっぷを複数人で共有することはできません。
連続した3日or5日間利用
購入時に利用開始日を指定し、連続する3日間、もしくは5日間を選択して利用します。「3日間用」が1万円、「5日間用」が1万2,050円で、「3日間用」と「5日間用」を後から変更することはできません。
日付変更線は最終列車に
以前の青春18きっぷは、「0時を過ぎて最初に停車する駅」までを1日と数えていました。リニューアル以降は、全国どこでも最終列車までを当日として利用できるようになりました。(ただし、終夜運転などを行う場合は、通常ダイヤの最終列車まで有効となります)
利用期間の変更や払い戻しが可能
開始日の前で未使用の場合に限り、購入時に決めた利用開始日の変更や払い戻しが可能です。利用開始日の変更は1度限り、払い戻しの際は220円の手数料が必要です。(払い戻しは購入した場所のみの対応となります)なお、利用開始後に列車の遅延や運休があっても、払い戻しはできません。
青春18きっぷで利用できる列車は?

青春18きっぷは、JR線の種別が「普通」「快速」列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリーで利用できますが、利用できないのはどのような列車なのでしょうか。前提として、普通車の指定席や一部区間を除く特急列車、新幹線、グリーン車の指定席は利用できませんが、普通車の指定席券やグリーン券を購入すれば、普通指定席やグリーン車の自由席を利用することができます。
観光列車にも乗れる!
このルールに照らし合わせると、人気の観光列車も「普通」「快速」の種別であれば、「指定席券」や「グリーン券」を買い足すことで乗車が可能ということです。「特急」の記載がない観光列車をチェックしましょう。例えば、毎週土日を中心に富山県内を運行する「ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)」は快速列車のため、おとな530円、こども260円の座席指定券を購入すれば青春18きっぷでの乗車が可能です。
【参照】「べるもんた」10周年特別列車を運行!乗車する方法は? 富山県の海と山を結ぶ観光列車での特別運行へ行ってみませんか? https://tetsudo-ch.com/13005563.html
この他にも、毎年6~10月にかけて運行しているトロッコ列車「富良野・美瑛ノロッコ号」や長野エリアを走る「リゾートビューふるさと」、車窓から四万十川を眺めながら電車旅ができる「しまんトロッコ」など夏休みに乗車したい観光列車も、座席指定券を購入することで乗車が可能です。
【参照】絶景発見!「フラノラベンダーエクスプレス」今年も運行へ 特別列車「富良野・美瑛まんきつノロッコ号」も https://tetsudo-ch.com/12998910.html
「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」とは?

青春18きっぷでは新幹線に乗車できませんが「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を買い足すことで、北海道新幹線で新青森から木古内まで、道南いさりび鉄道線で木古内から五稜郭まで1枚につきひとり片道1回移動することができます。これは、2016年に北海道新幹線が開業し、青函トンネル区間の在来線が運行されなくなったことへの対応策です。
青森から函館まで移動しやすくなり、青春18きっぷで北海道を巡る旅がしやすくなっています。
特例として特急列車に乗れる区間は?

基本的に、特急列車に乗車する際は、青春18きっぷとは別にきっぷの購入が必要です。ただし、普通列車が走っていない、もしくは運行が少ない一部区間では、例外として特急列車の普通車自由席を利用できます。該当するのは以下の区間です。
石勝線「新夕張〜新得」間
室蘭線「東室蘭~室蘭」間
奥羽線「新青森・青森」間
宮崎空港線「宮崎〜宮崎空港」間
佐世保線「早岐~佐世保」間
石勝線と室蘭本線は、特急列車の普通車指定席の空席に、奥羽本線は特急列車の普通車自由席および全車指定席の普通・快速列車の普通車の空席に、宮崎空港線と佐世保線は特急列車の普通車自由席の利用が可能です。
特例として利用できる私鉄と区間は?

特急列車と同様、JR線のみで移動することが難しい一部エリアに限り、特例として私鉄の利用が可能です。該当するのは以下の区間です。(いずれも、JR線から私鉄を経由して当日中にJR線へ乗り継ぐ場合のみ利用可能です)
青い森鉄道線「青森~八戸」間・「青森~野辺地」間・「八戸~野辺地」間
(青森駅・野辺地駅・八戸駅に限り途中下車可能)
あいの風とやま鉄道線「富山~倶利伽羅」間
(高岡駅・富山駅に限り途中下車可能)
IRいしかわ鉄道線「俱利伽羅~津幡」間
(津幡駅に限り途中下車可能)
ハピラインふくい線「敦賀~越前花堂」間
(敦賀駅・越前花堂駅に限り途中下車可能)
青春18きっぷで、東京から大阪までは 何時間で移動できるの?
青春18きっぷを使って、東京駅から大阪駅(もしくは大阪駅から東京駅)までの移動を考えた場合、東海道本線を乗り継いでいくのが一般的です。
乗車する時間帯によって乗り換え回数などが大きく異なるため一概にはいえませんが、おおよその所要時間は約8時間40分~9時間半程度になるかと思います。乗り換えの時間などを除く実乗車時間としては、列車によっても異なりますが、約8時間~8時間30分くらいが目安かと思います。
いくつかの時間帯を調べ、なるべく乗り換え回数が少なくなる時間帯を利用したり、早めの時間から移動を開始して、数カ所で途中下車をして周辺での観光や食事・休憩などをしながら移動をすると、楽しい旅になるのではないでしょうか。
青春18きっぷ Q&A
Q1: 1枚のきっぷを複数人で使えますか?
A1: 2024年度冬季のリニューアル以降、1人1枚のきっぷが必要となりました。複数人での利用はできません。
Q2: 新幹線には乗れますか?
A2: 基本的に利用できません。ただし、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を買い足すことで、一部区間(新青森〜木古内)の北海道新幹線に乗車できます。
青春18きっぷを利用すれば、目的地を決めずに気の向くまま行き当たりばったりの旅をするも良し、海沿いを走る路線や、雄大な山々を眺められる路線などローカル線のゆっくりとした車窓の風景を堪能するも良し、レンタサイクルや路線バスを活用しながら観光スポットに足を伸ばすも良し、さまざまな電車旅を楽しめます。最新のルールや運行情報は、JR各社の公式サイトなどで確認のうえ、まずは電車旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成しています。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。
(写真:PIXTA)
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