【終端駅 12】甲浦駅 阿佐海岸鉄道阿佐東線 2014年9月9日撮影
阿佐海岸鉄道はJR牟岐線の終点海部駅から甲浦までの阿佐東線を運営する第三セクターの鉄道会社。
元は日本鉄建公団建設線の「阿佐線」。改正鉄道敷設法で高知の後免から安芸、徳島県の日和佐を経て「古庄付近に至る」として建設が進められた。
しかし1980年(昭和55年)に国鉄再建法で工事が中止。この「阿佐線」で構造物が殆ど完成していた海部〜甲浦間を竣工し運営するために徳島県・高知県・海陽町・東洋町などが出資した第三セクターの鉄道事業者が阿佐海岸鉄道である。創立は1988年(昭和63年)、阿佐東線の開業は1992年(平成4年)。
トップ画像はJR牟岐線の終点海部駅でJR車両と阿佐海岸鉄道車両が列んでいるところ。
JRの駅名標。
阿佐海岸鉄道の駅名標。
徳島方面からこの駅に到着する直前に奇妙なトンネルを通る。赤瀬川原平氏の「超芸術トマソン」で紹介され有名になった町内(まちうち)トンネルだ。元は普通に山を貫いていたが周囲の住宅開発で山が切り崩されトンネルの構造物だけが残ってしまった「純粋トンネル」(赤瀬川原平氏の命名)だ。
海部駅から阿佐海岸鉄道に乗り換えて甲浦を目指す。踏切は1箇所も無く、高架線とトンネルを通って宍喰に向かう。
宍喰駅。徳島県最南端の駅で阿佐海岸鉄道本社がある。
甲浦駅。高架線の途中でプッツリ切れている。この駅は高知県。カメラを向けている人がホームに見える。
駅名標。あしらわれているのは高知県安芸市東洋町が観光などに使用するキャラクター。
単式1面1線のホームから階段を降りた場所に駅舎。右の階段の先のホームから降りてくる。駅舎の中には売店があって甲浦婦人会が運営している。親切で話し好きなおばちゃんがいて和む。駅前からは足摺岬を通り土佐くろしお鉄道の後免までの路線バスが運行されている。
駅舎の裏手から甲浦のホームと車両が見えた。
路線バスで後免まで移動したがとにかく景色が素晴らしい。赤字路線必至ではあるが、もし「阿佐線」が開通していたら実に風光明媚な線区になっただろうと少し残念に思う。
いずれにしても甲浦は長閑な空気の澄んだところだ。売店のおばちゃんも「何もないけど、何も要らない程良いところだよ」と言っておられました。
甲浦のビーチではサーファーがいっぱいサーフィンをしていた。