『雪国』は 追体験できません【50代から始めた鉄道趣味】297

2020.06.10

※2014年7月撮影

トップ画像は、越後中里駅の東側、湯沢中里スキーリゾートのゲレンデ休憩施設として国鉄の旧型客車が並んでいます。初めて見た時はちょっとビックリしました。

17:43発の常磐線長岡行普通列車に揺られています。まずは湯桧曽駅。下り線は地下ホームです。

※2014年7月撮影

湯桧曽駅には複雑な歴史があります。1931年(昭和6年)上越線水上駅~越後湯沢駅間開業時に第2湯桧曽トンネルと第3湯桧曽トンネルの間、現在の駅よりも北側600mほどの崖の途中に駅が作られました。

1949年(昭和24年)現在の駅舎付近に大穴仮乗降場が冬場のスキー客用に冬期間限定で開業。大穴は水上地区の大字の地名です。上越線複線化工事で1963年営業終了。

1967年(昭和42年)新清水トンネル開通で湯桧曽駅が現在地に移設され新清水トンネル内に設けられた地下の下りホームが供用開始。旧湯桧曽駅は、北湯桧曽信号場になりましたが1984年(昭和59年)廃止。2010年(平成22年)駅舎が新しくなりました。

上越線の下り線と上り線が異なるルートを通るためにこの様な複雑な湯桧曽駅の構造になったのです。便宜的に上越線のルートを書いてみます。下り線の湯桧曽駅、土合駅のホームは両方とも地下ホームですが、上り線は地上ホームなのです。

下り線

水上駅 - 新清水トンネル 入口から少し入った場所に湯桧曽駅下りホーム - 新清水トンネル内に土合駅下りホーム - 新清水トンネルから出て 土樽駅

上り線

水上駅 - 第1湯桧曽トンネル(1,753m) -  第2湯桧曽トンネル(422m) - 湯桧曽駅上り地上ホーム - 第3湯桧曽トンネル(946m) - 第4湯桧曽トンネル(1,540m) - 地上に出て土合駅上り地上ホーム - 清水トンネル - 清水トンネルから出て 土樽駅

土合駅下りホームの駅名標。海抜583.41mの地下ホームです。

※2014年7月撮影

いつも思うのは、上越線のこの区間、下り線のホーム写真はあるのですが上りホームを撮っていない、というか上り線に乗ったことがあまりないのです。

上越線清水トンネルと言えば、ノーベル賞作家川端康成の『雪国』が有名です。小説が書かれたのは1935年(昭和10年)。清水トンネル(9,702m)が開通したのが1931年(昭和6年)。『雪国』の時代、清水トンネルは単線で上り下り双方の列車が使っていました。『雪国』の有名な冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた」は下り列車で清水トンネルを抜ける描写なのです。

ですから、この冒頭の『雪国』の光景を私たちは追体験することができません。1967年(昭和42年)新清水トンネル(13,490m)が開通。上越線は複線化され、雪国の主人公が乗った下り列車は新清水トンネルを通ることになったのです。

越後中里駅に近づいて国鉄旧型客車が見えます。

※2014年7月撮影

並んでいるスハフ(スチール綱製 三等 車掌室付緩急車)43などは、1951年(昭和26年)から製造されたものです。中学校を卒業した春に、筆者は当時の国鉄が発行していた東北周遊券で初めてローカル方面に鉄道旅をして急行列車に長時間乗りました。国鉄時代、無闇に長距離を走る急行列車が数多く運行されていたのです。昨今の東北本線、東海道本線の普通列車細切れ旅とは大いに違っていました。

使われているのは、その頃乗った車両だと思います。更新前の木製の車内や缶入り飲料がポピュラーになる以前の内装なので座席やテーブルに栓抜きが付いていました。懐かしいので見に行きたいけれど夏場は施錠されている様です。

越後湯沢駅で比較的長く停車します。隣1番線ホームに北越急行の681系電車2000番台(JR西日本はくたか塗装)。ほくほく線内で160km/hの営業運転を行っています。

※2014年7月撮影

3番線ホームから水上方面を見ています。左に除雪車両?

※2014年7月撮影

北越急行の681系電車2000番台の横顔。

※2014年7月撮影

サラリーマン時代、新幹線で越後湯沢に来て在来線特急電車に乗り換えて富山や高岡に頻繁に出張していました。その頃毎回の様に食べていた駅そば「湯沢庵」。

※2014年7月撮影

20:02宮内駅に到着、虫だらけのホームで信越本線柏崎行を20分待ちました。

※2014年7月撮影

21時、柏崎に到着。コンビニで弁当とビールを買ってホテルにチェックイン、一っ風呂、汗を流して、まずは「お疲れビール」です。

※2014年7月撮影

青春18きっぷ鉄道旅vol.12、1日目、421.5km移動。今日は非電化路線には乗っていません。

明日は、未乗の弥彦線に乗った後、曽遊の能代を目指します。

(写真・文/住田至朗)


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