乳がんを患った女性は、3つの苦しみが連続し打ちのめされる。

まず最初に、乳がんの告知で。そして乳房を失って。さらに、抗がん剤治療で毛髪を失って―――。

この3番めの苦しみに、あの リーブ21 が救いの手をさしのべた。

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リーブ21 は、抗がん剤治療の副作用による頭髪の抜け毛、脱毛の低減・抑制をめざす頭皮冷却装置「セルガード」(厚生労働省認可)を開発・製造。

同社の医療機器メーカーとしての第一弾製品を、抗がん剤治療を実施するがん診療連携拠点病院などに販売していく。

頭皮の血流を抑制、ダメージを軽減

リーブ21製 セルガード は、国内初の国産 頭皮冷却装置。抗がん剤を(点滴などで)投与する前後に、冷却ユニットと連動したキャップを着用させ患者の頭部を冷却。

血管を収縮させることで、頭部への血液の流れ、薬剤の循環を制限し副作用の脱毛を低減させる。

また、頭皮内を冷却することで毛乳頭細胞、毛母細胞、毛根鞘細胞などの各細胞に対する抗がん剤の影響を低減・抑制してくれる。

リーブ21は、日本人の頭部形状にあわせた冷却キャップの研究(密着形状、均冷却など)や、シンプルな操作性など、国内の需要にあった頭皮冷却装置を開発してきた。

「このセルガードは、発毛一筋44年のリーブ21のノウハウをもとに製品化した、国産初の機器。薬物療法誘発性脱毛症に悩む患者の負担を軽減することにより早期の社会復帰を応援したい」(リーブ21)

発毛ノウハウを医療現場へ、患者のQOL向上めざす

7月10日、都内で行われた発表会には、毛髪クリニック リーブ21 岡村勝正 代表取締役社長をはじめ、セルガード開発にかかわった大阪大学 大学院 医学系研究科 保健学専攻 小林忠男 招聘教授、仙台医療センター乳腺外科 渡邉隆紀 医長が登壇し、製品特長や乳がん治療の現状を伝えた。

渡邉医長は「乳がん患者の95%が頭髪の8割以上が抜けてしまう。細いくせ毛から始まる再発毛で、頭髪8割以上回復するのが60%、5~8割回復が25%、5割未満回復が15%いる」と現状を伝えた。

また小林教授はセルガードの特長について「すき間なく頭皮を冷やすインナーキャップ、日本人の頭部の形にフィットするシリコン冷却キャップ、そしてしっかり固定するアウターキャップ、3層のキャップでしっかり冷却させる」と話していた。

リーブ21 岡村代表は、「世界中の脱毛に悩む人たちを、正真正銘、自分の髪で自信とよろこびの人生に変えていくことを理念とし、創業以来培った発毛ノウハウを医療現場にも届け、がん治療と戦うすべての患者の、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上の一助を担いたい」と語っていた。

――― 国内初の国産 頭皮冷却装置 セルガード は、ことし2020年の秋から販売。予価は432万円。販売目標は2000台以上を見込む。