山陽線 柳井~下松間 の不通で再び動き出したトラックの代行輸送。

貨物列車が走れないところをトラックの列がフォローする現状に、新しい兆し―――。

ドイツ フリードリヒスハーフェンに本社をおくZFは、トラックのプラトーニング(platooning/隊列走行)を可能にする統合テクノロジーが、量産化にむけ最終段階に入ったと伝えた。

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複数のトラックが接近し、隊列を組んで走行するプラトーニング(platooning/隊列走行)は、先導車両の後ろを走る車両の空気抵抗が弱まり、燃料消費量は最大20%削減できるというメリットを持つ。

ZFのプラトーニング統合テクノロジーは、センサーセット、スーパーコンピューター「ZF ProAI」、電動油圧式ステアリング「ReAx」、トランスミッションシステム「TraXon」で構成。

このプロジェクトでは、さまざまなメーカーのトラックが隊列を組むことから、ネットワークの標準化がまず求められる。

現在のZFの製品ラインナップには、カメラ、レーダーなどのセンサー類、ZF ProAIスーパーコンピューター、ReAx商用車用電動油圧式ステアリングシステム、トランスミッションシステムといった、プラトーニングを可能にするテクノロジーが含まれている。

同社は、EUが共同出資するENSEMBLEプロジェクトの一環として、トラックメーカーと連携し、プログラムの試験を実施。2021年までにヨーロッパの道路でマルチブランド・プラトーニングの実現をめざす。

世界各国、さまざまなメーカーの車両を隊列化

マルチブランド・プラトーニング・コンボイ(車両隊列)は、ネットワークで車両が接続され、人間の判断よりも作動時間が短いなどのメリットを持ち合わせ、より短い車間距離を実現。

隊列走行中のトラックは、ほぼリアルタイムで、先導車両の動きに合わせてブレーキングやステアリング操作を行うように設計されている。

また、センサーから得られる情報と自動運転機能により、先導車両が意図せず車線を超えてしまった場合でも、後続車両は正しい車線にとどまることができる。

ZF商用車事業部フレドリック・シュテッドラー責任者は、「プラトーニングのような運転機能は、革新的なZFテクノロジーにより実現可能に。ZFでは、物流の効率性を向上し、総所有コストの削減にも貢献できるネットワークサポートを、トラックメーカーに提供している」と伝えた。