ばばん、ばばんばばん、ばばんばばん……山陰線キハ126 石見神楽列車が長い鉄橋を行く。

ここは島根県江津市。江の川に架かる、郷川橋梁。左は国道9号山陰道 江川橋。16時ごろの景色。

江の川(ごうのかわ)、郷川橋梁(ごうかわきょうりょう)、江川橋(ごうかわばし)と、すべて書き方が違う。

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1350年以上も前からある有福温泉や石見神楽で知られる江津には、大正時代から続く鉄道橋梁も旅情のひとつ。

こうした古くからある観光の魅力だけじゃなく、「ことし、日本で初めて市街地レースが開催された地」という最新トレンドも走っている。

まずは山陰線 郷川橋梁。

1920(大正9)年にできたこの郷川橋梁は、山陰線で最長の鉄橋。江の川に現存する橋梁のなかで最古の橋梁で、ことしで100歳をむかえた。

建設中に洪水被害にあい、完成間近に2基の橋脚をつくりなおすという難工事を経て完成し、リベット接合のアメリカ製鋼材は塩害をうけボルトに交換するなどの補修を重ねながら、100年が経った。

動画↑↑↑はことしで100年の郷川橋梁を渡る、キハ120単行列車とキハ126石見神楽列車。

浜田鉄道部キハ120 300番台の単行列車は出雲市を14:38に出た 329D 益田行き。途中、浜田で列車番号が 353D に変わる。山陰線を4時間弱かけて走る。

キハ126 石見神楽列車は、浜田を16:04に出た列車で、米子に19:48着。浜田と米子を3時間半かけて走る。この列車も出雲市駅で列車番号が 146D に変わる。

そして、100歳をむかえた郷川橋梁のすぐ先で国内初の市街地レースが開催!

人口わずか2万3000人、「東京から最も遠い街」といわれる江津は、古くから続く温泉や石見神楽だけじゃない。

なんと、ここ江津駅前の街路をサーキットに仕立てて、市街地レースを日本で初めて開催してしまった!

ことし9月に行われた市街地レース。その名も「ねっとの窓口A1市街地グランプリ GOTSU 2020」。

江津の人たちの力が結集し、7年越しで実現させたこの市街地レースに、当日は多くのファンがかけつけ、ニューノーマルな時代の新しいレースシーンを全世界に発信した。

レース当日2時間でつくったサーキットには、立ち入り禁止ラインぎりぎりに観客が並び、軒先にバリアが敷かれた家のおじいちゃん・おばあちゃんも、疾走するカートに拍手を送る。

駅前を限界ギリギリのスピードで駆け抜けていくマシンとドライバーの姿に、思わずみんな拍手や両手を上げて、静かにその走りを応援する。

「日本初の市街地レース開催地」になった江津市。ここ江津で初めて開催されたA1市街地グランプリがすごいのは、ニューノーマルな新しいレース観戦スタイルを生み出しただけでなく、主催スタッフや地元ボランティア、賛同者たちのみんなの力が結集したチームワークや、撤収スタイルにもある。

13時過ぎに決勝レースが終わり、なんと15時にはもと通りの静かな江津駅前に戻っていた!

「2時間前に起きた、国内初の市街地レースが、まるで夢だったかのように、そこにはレースの余韻も面影も、何もない」(関係者)

――― モナコやマカオとは違う、日本初の市街地レースはここ江津が発祥。。その歴史は始まったばかり。江津モデルが日本各地へ、世界へ、どう派生するか。楽しみ。

◆Googleマップ 郷川橋梁
https://goo.gl/maps/XkjX8bizziKwWJLR9

◆しまね観光ナビ 島根県公式観光情報
https://www.kankou-shimane.com/

◆江津市観光協会
https://gotsu-kanko.jp/

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◆鉄道チャンネルYouTubeでも動画で紹介予定! お楽しみに
https://www.youtube.com/channel/UCEU1PILeEG2tUBHMURn7BBg