2019年度鉄道運転事故件数は過去30年間で最少 国土交通省の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」まとまる
国土交通省がまとめた2019年度「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」によると、運転事故件数は614件(前年度比24件減)にとどまり、過去30年間で最少となった。国や地方自治体、鉄道事業者は連続立体交差化や踏切事故対策、ホームドア整備などの安全対策に取り組んでおり、人身障害事故や踏切事故は減少傾向にある。
鉄道運転事故は、①列車事故(衝突、脱線、火災) ②踏切障害事故 ③道路障害事故(鉄道関連分) ④人身障害事故 ⑤物損事故――の総称・総計。2019年度の発生件数は、列車事故15件(2件増)、踏切障害事故211件(17件減、うち3件は列車事故に二重計上)、道路障害事故38件(15件増)、人身障害事故350件(17件減)、物損事故3件(4件減)の合計614件。人身障害と踏切障害が全体の9割以上を占める。
過去30年間で最少件数。1988年度は1468件で、約30年間でほぼ6割減少した。安全性向上策に加え、国や自治体、鉄道事業者の注意喚起が功を奏す。
昨年度の運転事故による死亡者数は254人(2人増、自殺を除く、踏切事故に二重計上)で、内訳は列車事故2人(2人減)、踏切事故84人(5人減)、道路障害1人(増減なし)、人身障害169人(7人増)。列車乗客の死者は12年連続で出ていない。
列車運休や30分以上の遅れ(旅客列車のみ)を生じた輸送障害は年間5665件(48件減)。2017年度をピークに2年連続で減少した。
文/写真:上里夏生