55回目を迎える「京の冬の旅観光キャンペーン」パンフレット 画像:JR西日本

※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、下記内容は一部変更となりました(2021年1月18日17時21分追記、鉄道チャンネル編集部)
・非公開文化財の特別公開→延期
・定期観光バス特別コース→延期
・京都千年の心得→一部中止

JRグループ旅客6社と京都市、京都市観光協会は2021年1月1日~3月21日に恒例の「京の冬の旅観光キャンペーン」を展開する。観光オフシーズンの冬季に、古都の社寺などが普段見られない国宝や重要文化財を特別公開。送客を担当するJR各社は、駅や車内ポスターでPRする。

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JRにとっては、3ヵ月ごとに旅行目的地を変えて集中宣伝するデスティネーションキャンペーン(DC)の一つ。京都市や同市観光協会が当時の国鉄とともに、冬場の誘客策として1979年度からスタートさせた。京都市単独の時代も合わせると今季が55回目で、半世紀を超す歴史を持つ。

今季のテーマは「京の名宝・美の遺産」で、文化財の特別公開に加え特別コースの定期観光バスを運行する。コロナ禍の今冬は、各施設が事前予約で受け入れ観光客を制限するなど、安全で安心な観光を実践。過度に観光客が集中するオーバーツーリズムをなくして、〝新しい日常〟にふさわしい観光のあり方を提唱する。

非公開文化財を特別公開するのは、智積院(密厳堂、三部権現社、求聞持堂)、方広寺、龍安寺(蔵六庵、芭蕉図)、東福寺(龍吟庵)をはじめとする12施設。求聞持堂や芭蕉図は、京の冬の旅では初公開となる。公開期間は1月9日~3月18日。事前予約で来観時間帯を決めて三密を回避する。空きがある場合は、当日申し込みの拝観も可能だ。

定観バスは、①歴史をたずねるコース ②文化財をめぐるコース ③〝香り〟を楽しむコース――などを特別運行。体験型観光メニューは、絹のストールを天然染料で染めるワークショップなどを開催する。

主な旅行会社は、JR往復券に宿泊をセットした旅行プランを発売。旅行商品利用客には観光施設入館料割引などの特典がある。

文:上里夏生