JR九州は2021年春のダイヤ改正で新幹線「さくら」「つばめ」の運転本数・時刻の見直し、特急列車に関しても「有明」の運転取りやめや特急列車の臨時化などを実施する。

「つばめ」13本、「さくら」2本

九州新幹線に関しては、本州方面に相互直通する本数に変更はない。ただし博多~熊本間を運行する「つばめ」13本、「さくら」2本は運転を取りやめる。

また一部の「さくら」は各駅停車化し、「つばめ」の運転区間を延長することで利便性確保に努めるという。

今回の見直しで平日の新幹線運転は現行の121本から107本へ。なお、直近11月の利用状況を2019年と比較すると、およそ35%減少しているという。

特急は利用状況踏まえ臨時列車化や運転取りやめ

「ソニック」はデータイム時間の速達タイプ12本を臨時列車とし、利用が見込まれる日に設定する。コロナ前と比べて40%ほど利用が減少したことを受けてのものだ。

「かもめ」は1本運転取りやめ、3本を臨時列車化。「にちりん」も一部を臨時列車として大分~延岡の運転体系を見直す。「きらめき」は早朝と夕方以降5本の運転を取りやめるものの、小倉 22:31発、博多 23:25着を増発。「かいおう」は2本運転取りやめ、「きりしま」は宮崎~鹿児島中央間、宮崎~都城・西都城間それぞれ1往復の運転を取りやめ、運転時刻を調整する。

平日朝の大牟田~博多間で運行する「有明」の運転は取りやめ、新たに鳥栖駅までの快速列車を運転する(大牟田 6:43発 鳥栖 7:18着)。鳥栖駅では博多行きの特急「かもめ」へ対面乗り換え可能。

快速列車・普通列車についても深夜帯の運転本数や運転区間見直しを図る。福北ゆたか線でもデータイムの列車本数を1時間あたり3本とし、概ね20分に1本の運転体系とするほか、宮崎~南郷間の「海幸山幸」は利用が多く見込まれる日に増発し、2往復運転を実施する。その他にも、筑肥線ではホームドアを設置し、ダイヤ改正を機に稼働。

新型コロナウイルスの影響のみならず、令和2年7月豪雨で甚大な被害を受け、JR九州の鉄道利用状況は落ち込んでおり、同社は現状においては、「会社発足以来の危機」 が引き続き継続するという認識を示している。

鉄道チャンネル編集部