東京の東、東京湾の東側を囲うように海に飛び出る、千葉・房総半島。

この房総の海沿いを行く内房線と外房線は、2021年3月から列車運用体系が変わる。

来春からは、さらに“先細り”するイメージ。都心から離れれば離れるほど、利用者が少なくなるというどこにでもあるマッピングを、列車運行体系にも投影させたかたち。

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房総半島の最も遠いエリアに走り出す新しいくるまが、新型車両E131系。モータつき車1両とモータなし車1両を連結した2両(1M1T)を基本編成とし、2両または2両+2両の4両で走らせる構え。

わくわく感と先細り感

2021年3月からは、この新型E131系が、内房線 木更津と外房線 上総一ノ宮の間を直通運転する。房総南端の館山や、外房線・内房線の境界駅安房鴨川を経て、房総の海沿いをUの字に走る直通列車が走り出す。

E131系には乗降確認カメラを搭載し、乗務員が運転台から乗降客を確認。同区間などをワンマン運転する。

これまで209系4両編成(2M2T)または6両編成(4M2T)で走っていた区間に、新たに2両編成のワンマン運転E131系が入るということで、新型車両が入るわくわく感のいっぽうで先細り感も否めない。

房総列車運行体系の“令和の布石”

房総を行く特急列車もどんどん数を減らしていくなか、2021年3月のダイヤ改正では本数減や運転区間縮小などはなかった。今季は。

今回の木更津~上総一ノ宮 直通E131系の登場は、房総列車運行体系の“令和の布石”のようにもみえる。

いずれは、東京と内房・外房を結ぶ特急列車・快速電車は、木更津(君津)や上総一ノ宮までとして、そこから先の安房鴨川や勝浦、館山へはボックス席つきのE131系や209系へ……という流になるかも。

さらに気になるのは、E131系を順に増備すると思いきや、「計画当初の2両編成12本以上はつくる計画がない」というから、どうなるか。