引退後は阿字ヶ浦駅で留置されるキハ222は、潮風にさらされて車体の傷みが目立つ。 写真:三鉄ものがたり実行委員会

茨城県ひたちなか市の市民団体が企画した、廃車となった気動車の修復費用を募るクラウドファンディングが2020年12月20日で終了し、支援総額は目標の380万円を大きく上回る461万8000円に達した。

クラウドファンディングを実施したのは、「三鉄ものがたり実行委員会」。1962年に製造、北海道の羽幌炭鉱鉄道で導入され、1975年から2015年まで海浜鉄道を走ったキハ222形気動車を修復してご神体として整備し、鉄道神社を創建することを思い立ち、2020年11月5日からクラウドファンディングで資金を募った。資金は目標の380万円を大きく上回り、第2目標の425万円もクリアした。

実行委はファンへの感謝とともに「実は塗装のことばかり考えていて、神社らしさの演出はマダマダ。第2目標の資金では、神社をより『神社』らしさを整えたい。線路で鳥居を造り(溶接加工代)、小さなお社を車内に設置したい。ご朱印帳+スタンプをデザインしたい。しめ縄など備品を購入したい」と支援金を有効活用することを約束した。

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本格的な修復や再塗装は2021年春以降を予定する。途色はかつての国鉄と同じブルーとクリーム色のツートンカラー。実行委メンバーは、「今回の塗装、そして観光資源としての神社化では、車両に一切手を加えることなく、あくまでもひたちなか海浜鉄道さん監修の下、忠実な復元を目指します」と誓う。

文:上里夏生