JR東日本が新たに製造する事業用交直流電車2両編成 E493系 がことし2021年春に登場する。

E493系は、これまで電気機関車やディーゼル機関車などが担っていた、列車をけん引する仕事をおもに担当する。

イメージできる仕事は、車両製造メーカーから出てくる新型車両を自社車両基地まで運ぶ、修理や更新・検査のために自社車両基地から別の自社工場などへ運ぶ、旧型車両を廃車解体する場所へと運ぶ……などなど。

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これまでこうした仕事は、EF64形電気機関車をはじめとする、国鉄時代につくられた機関車が先頭に立っていた。それをこんどは、2両編成の↑↑↑画像のような電車が担うことに。

しかも交流・直流の両用対応車両だから、羽越線 村上、東北線 黒磯、常磐線 取手あたりにある交流・直流の境界(デッドセクション)も、気にせずスルー運転できる。こうしたデュアル対応は、EF81形電気機関車と同じ。

プッシュプル?

ここで気になるのは、運ぶ列車の両端に動力となる電車を1両ずつつけて、プッシュプル(押すくるま+引くくるま)で運べば、方向を逆転するときなどシンプルに操作できるのに……という点。

JR東日本資料には、そうした動きができるとは記されてない。あくまで2両編成で動くイメージ。JR貨物が所有しているEH200形電気機関車や、EH500形、EH800形といった、2両ひと組のH級電気機関車と同じような体(てい)で動くみたい。

協調運転?

ということは、これまで機関車が行っていたような“機回し”を、E493系もやるのか。機回しは、たとえば列車の方向を逆転するさい、先頭に立ってた機関車がいったん列車から外れて、列車の後ろ側にまわり、最後部のくるまに連結して、再び走り出す動き。

E493系も、方向を逆転するような地では、この機回しをするか。

もしくは……引っ張られる列車側に、操縦機能が生きている、たとえば新型車両を運ぶときも、その新型車両の制御機能・操縦機能が生きていれば、協調運転というかたちで、E493系が後ろからプッシュする動きもあるかもしれない。

協調運転に似たケースでは、かつての上野駅発着ブルートレインを思い出す。上野発着のブルトレ「北斗星」などは、車両基地の尾久車両センターと上野駅の間を回送する場合は、客車が先頭になって後ろから電気機関車がプッシュしていた。

E493系は、そんな後ろから押して行く協調運転的な動きもできるのか。気になるところ。