JR西日本と西日本電気システムは2021年4月7日、国内鉄道業界で初めて、ロボットアームを搭載した鉄道電気工事用車両「ブラケットハンドリング車」を開発したと発表した。

可動ブラケット(電柱付属部品)の取替作業は人力で行われているが、これをロボットアームにより機械化・自動化することで生産性向上と安全性向上を図る。

JR西日本は2021年度中に1台導入し、京阪神・岡山・広島エリア(在来線)で運用予定。

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ブラケットハンドリング車を用いる場合、作業工程は次のようになる。

(1)ロボットアームが3Dカメラで作業空間を自動認識
(2)ロボットアームが自動で旧可動ブラケットの設置位置近傍まで移動
(3)作業員の操作により、架線支持アームで作業中の架線を仮支持する
(4)作業員の操作により、位置を微調整し、旧可動ブラケットをロボットアームに掴ませる
(5)ロボットアームが自動で、旧可動ブラケットを回収する
(6)ロボットアームが自動で、新可動ブラケットを取り出し、つかむ
(7)ロボットアームが自動で、新可動ブラケット設置位置近傍まで運搬する
(8)作業員の操作により、位置を調整し、新可動ブラケットを設置位置に取り付ける

人による重量物の運搬作業は不要となるほか、3Dカメラによる作業空間の認識・障害物回避が可能なことから煩雑な操作は不要に。また架線支持アームにより容易に電線の仮支持ができることから、人による高所での準備作業も不要になる。

ブラケットハンドリング車のスペックは次の通り。

全長:約7.1m
全幅:約2.2m
全高:約3.8m
車両重量:約14.0t
投資額:約3億円(開発費含む)

鉄道チャンネル編集部
(画像:JR西日本)