都営バスや県営バス、市営バスなど、公営バスの始まりは、1923(大正12)年の関東大震災直後、東京市電気局が走らせた「円太郎バス」がルーツといわれている。

東京都交通局は2020年、この「円太郎バス」が自動車として初めて国の重要文化財に指定されたのにあわせ、「円太郎バス(東京市営乗合自動車)」特設サイト(https://project-toei.jp/entaro/)を開設。

この特設サイトのメインコンテンツ「円太郎バスうごく影絵」を体験してみると、円太郎バスからみえた98年前の震災復興期の東京風景がみえてくる。

大正時代の渋谷駅や東京駅、両国駅が!

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円太郎バスは、東京市街にはりめぐらされた市電路線網が、関東大震災で壊滅的な被害を受けたさい、代替交通として登場。

東京市電気局が、震災の翌年、市電が復旧するまでの代替策として、アメリカ フォード社からバス800両を購入し走らせた。

さっそく、「円太郎バスうごく影絵」で、円太郎バスをブラウザ上で走らせるてみる。

8系統の走行体験ができる「円太郎バスうごく影絵」の最初のルートは、「4系統 中渋谷~赤坂見附~東京駅前」。

カーソルキーでアクセル・ブレーキ操作・エンジン始動ができる。マウスでも操作OK。

実際に動かしてみる。まず通りかかるのは、大正時代の山手線渋谷駅。三角屋根に丸く切り取られた格子窓、さらに三角屋根の棟がつく。

その脇を東京市電がかすめ、その背後に、玉川電気鉄道の本社屋がみえる。

玉川電気鉄道は、1907(明治40)年に道玄坂上~三軒茶屋が開通し、続いて1907(明治40)年には三軒茶屋~玉川(現 二子玉川)が開通。その後、1907(明治40)年に道玄坂上から渋谷まで延伸し、渋谷~玉川までの全線が開通した。

「円太郎バスうごく影絵」で時間旅行へ

流れる景色をみながらバスを走らせていると「停車」という文字が出てきて、カーソルキーで停車。乗客と運転士の会話が聞こえてきたり、バスの前方に馬車や人力車が横切りエンストしたりも……。

―――こうした走行体験コースは、ぜんぶで8種類(8系統)。1系統クリアするごとに、作家・荒俣宏の肉声コラムや、当時の切符や写真などの貴重資料も閲覧できる。

ちなみに6系統 早稲田~両国駅前では、両国国技館の脇を東京市電の電車がかすめる風景もみえて、98年前の都内をタイムスリップしてる気分。

自宅時間が増えたいま、この「円太郎バスうごく影絵」で時間旅行へ、出かけてみて。

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