北綾瀬駅ホーム屋根上に並ぶソーラーパネル

東京メトロは2021年5月16日から、千代田線北綾瀬駅の太陽光発電システムを増設して稼働開始した。

千代田線の支線に当たる綾瀬車両基地への引込線上にある北綾瀬駅は、ホーム屋根にソーラーパネルを載せる太陽光発電を東京メトロで初めて採用、2008年9月からエレベーターなどの電力を自家発電している。同駅は、従来は3両編成対応だったホームを10両対応に延伸するのに伴い、発電をいったん停止していた。

延伸ホームは2019年に完成、同年3月から10両編成列車が運行されているが、今回は延伸部分の屋根にもソーラーパネルが設置され、発電量が従来の20キロワットから32キロワットに増強された。ちなみに、一般家庭の消費電力量は8キロワット程度(2人暮らしの場合)とされ、北綾瀬駅の発電量は、4世帯分に相当する。メトロは太陽光発電による二酸化炭素(CO2)削減効果として、年間約13.6トンを想定する。

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東京メトロは2021年3月に、長期環境目標「メトロCO2ゼロチャレンジ2050」を策定。メトログループ全事業で排出するCO2量について、「2030年度に2013年度比でマイナス30%、2050年度には排出量実質ゼロ」の目標を掲げた。

東京メトロで太陽光発電を採用するのは北綾瀬駅のほか、東西線南行徳、妙典、浦安、西葛西、葛西、原木中山、行徳、西船橋、日比谷線南千住、丸ノ内線四ツ谷の各駅で、当然ながら全駅が地上駅。今回の北綾瀬駅の発電能力増強で、11駅を合わせた太陽光発電によるCO2排出量削減効果を、年間584.8トンと試算する。

文:上里夏生
(写真:東京メトロ)