鉄道、電力、建設コンサルの3分野にわたるJIWへの資本参加企業と提携内容(資料:JIW)

JR西日本はメンテナンス作業の効率化に向け、ドローンを活用する施設点検にノウハウを持つ、大阪市のスタートアップ(ベンチャー)企業のジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW)と業務提携契約を結んだ。これに合わせ、グループのJR西日本イノベーションズは、第三者割当増資を引き受ける形でJIWに資本参加した。

鉄道各社が力を入れる、DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術を活用した業務革新)化の一環。JR西日本グループは、先の「中期経営計画2022」見直しで、グループデジタル戦略の推進を掲げ、新技術採用による生産性向上を目指している。

鉄道業界で待望されるのが人手に頼ってきた安全点検の革新で、従来型のいわゆる人海戦術は、本格化する少子高齢化社会にあって大きな負担になってきたことが背景に挙げられる。加えて、万一の災害や事故発生時、ドローンを有効活用すればスピーディーな復旧につながる。

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JR西日本と業務提携したJIWは、NTT西日本グループで培った設備管理実績を基に、インフラ点検を主体とする専門企業として2019年4月に設立された。

今回は日本初のドローン点検の定常業務化を目指し、鉄道のほか、電力と建設コンサルタントの各分野で、JR西日本イノベーションズを含む4社から資本参加を受けた。具体的には電力は九州電力、建設コンサルはエイト日本技術開発、八千代エンジニアリングで、JIWと提携各社はドローンやAI(人工知能)を活用した点検の高機能かを志向する。鉄道分野では、高所や高電圧といった特殊環境下の現場作業で、安全で効率のいい点検作業の実現を目指す。

文:上里夏生