ロボティクス・サービス・プロバイダーのQBIT Roboticsは、森トラストとともにロボットを用いた館内配送集荷サービスの実証実験を行う。

本実証実験においてQBIT Roboticsが開発したのは、3メーカーの自動搬送ロボット群とロボットアームをクラウドで統合した大規模オフィスビル向け館内配送集荷サービスだ。西濃運輸、佐川急便、城山トラストタワーの複数テナントと協力し、6月2日より同ビルで1ヶ月稼働させる。

ビル内へ配送する際は、トラックドライバーが同ビルの所定のケースに荷物を入れ、「荷下ろし完了」ボタンを押して退出するだけでいい。荷物の大きさや届け先に適した搬送ロボットが呼び出され、ロボットアームで荷物を搭載、テナントへ運んでくれる。

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逆に集荷を予約すると、搬送ロボットがテナントまでやってくる。ロボットはテナントから預かった荷物を集荷置き場へ運び、物流事業者毎のケースへ入れる。その後、担当の業者がビルへ赴き、入退館手続きをすることなく専用のケースから荷物を受け取る、という流れになる。

コロナ禍により非対面・非接触のニーズが高まりつつあるにもかかわらず、物流業者は集荷や配送のためオフィス内へ立ち入らざるを得ない。ロボットを用いた館内配送集荷システムは、そうした状況を改善する一手となり得る。

自動搬送ロボットは低価格化が進む一方だ。レストランやホテルといったサービス業では、1台100~200万円ほどのロボットの導入も進む。今後、大規模なオフィスビルを筆頭に館内配送集荷の自動化ニーズが高まれば、ロボットに荷物を託すのがシーンが当たり前の光景になるかもしれない。

本研究開発および実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス技術開発事業」の補助を受けて行われている。