JR各社の看板列車が並ぶ「JR時刻表」の表紙

鉄道ファン、とりわけ〝乗り鉄〟の多くがバイブルと呼ぶ一冊が、交通新聞社が発行する月刊の「JR時刻表」。2020年からのコロナ禍で本物の鉄道旅が難しくなり、時刻表片手にバーチャル旅行のブランを立てる愛好家が増えており、そんな人たちに鉄道の魅力を伝えようと、2021年5月号から始めた新連載が全ページカラー刷りの「巻頭特集」だ。

〝JR6社共同編集、見やすい2色刷り〟がうたい文句で、駅の旅行センターや「みどりの窓口」に備えられているのも、実は交通新聞社の時刻表。市販本で「JR-GROUP」と表記される背表紙は、旅行センター版では「○○旅客鉄道会社」と、JR各社名に変えられている。

巻頭特集2回目の6月号は、「もっと楽しめる!鉄道ミュージアムのひみつ」をタイトルに、全国の主な鉄道展示施設を網羅。京都市の「京都鉄道博物館」、さいたま市の「鉄道博物館」、名古屋市の「リニア・鉄道館」、神奈川県海老名市の「ロマンスカーミュージアム」を詳しく紹介した。

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このうち大阪市の「交通科学博物館」と京都市の「梅小路蒸気機関車館」を統合して、2016年4月に開館した京都鉄道博物館は今春、開館5周年を迎えた。三浦英之館長の一押しは、旧形客車のオハ46形という。

巻頭特集の「京都鉄道博物館」

さらに代表4館のほか、小樽市総合博物館(北海道)、東武博物館(東京都墨田区)、碓氷峠鉄道文化むら(群馬県安中市)、地下鉄博物館(東京都江戸川区)、ジオラマ京都JAPAN(京都市)、長浜鉄道スクエア(滋賀県長浜市)、四国鉄道文化館(愛媛県西条市)、九州鉄道記念館(北九州市)の各館も、見どころをコンパクトにまとめている。

時刻表本文は数字が並ぶが、鉄道各社は臨時列車を頻繁に運行するため、内容は毎号アップデート。各ページの数字(ダイヤ)はファンには鉄道旅の夢をかき立てるが、時刻表編集部は、文字通り〝数字と格闘〟する毎日が続く。そして正確で読みやすい、ファンの期待に応える一冊に仕立て上げる。

6月号では、「夏の臨時列車」も詳報。全国の書店で好評発売中だ。

文:上里夏生
(画像:交通新聞社)