ラストランロゴをまとう「レッドアロークラシック」と西武レストラン列車「52席の至福」が並んだ

2021年6月5日(土)、「西武・電車フェスタ2021 in 武蔵丘車両検修場」が開催されました。昨年はコロナ禍で中止となりましたが、今年は感染症対策として完全事前申込制とし、入場人数を最大5,000人までに制限、三密を避けてのイベント実施となりました。

今年の目玉は2021年4月に定期運用から離脱した「レッドアロークラシック」です。西武鉄道は今回の電車フェスタにあわせ、乗客を乗せる最後の運行として会場直通ツアーを催行。会場へやって来た「レッドアロークラシック」をレストラン列車「52席の至福」と並べ、珍しい――恐らくは最後の組み合わせとなるであろう撮影会が行われました。

「特急おくちちぶ」
「RED ARROW CLASSIC」ロゴ
「52席の至福」は交代制でカフェとして営業

【参考】旅するレストラン「52席の至福」7〜9月のメニューを試食 前半 ブランチコース紹介(※2017年の記事です)
https://tetsudo-ch.com/15834.html

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武蔵丘車両検修場内ではトラバーサー乗車体験や行先表示器操作体験なども実施。後者に関しては、感染症対策として西武鉄道側のスタッフが参加者からの依頼に応じて表示を変更する形を取っていました。その他にも、様々な鉄道事業者がグッズ販売ブースを出展しており、会場内には路線図を手にした参加者の姿も。

重量物を移動させる「トラバーサー」に乗れるのは車両基地イベントならでは
多数の行先表示器が並ぶ
鉄道事業者がブースを出展、グッズの販売等を行いました

車両やモーター、車輪、床下機器の展示はもちろんのこと、「レッドアロークラシック」の引退にあわせて特急レッドアロー号の写真を並べたパネル展も。屋外では西武バス「燃料電池バス」「自動運転大型バス」も並んでおり、食い入るように見物したり写真を撮る姿もありました。コロナ禍での開催にもかかわらず、ファンの熱量が感じられるイベントだったと言えるでしょう。

武蔵丘車両検修場内で行われた車両展示の様子 行先は「一橋学園」
マルチプルタイタンパも間近で見学できました
レール上での走行を実演
様々なモーターの実物とともに、メンテナンスのしやすさや性能に関する所感が書かれています
毎回消毒は必要ですが、参加者が制輪子を直接手で持って重さを体験したりも
屋外に展示された自動運転実験中のバス

ここから先は余談ですが、今回の西武電車フェスタもやはりお子様連れのご家族での参加が大変多かったように思います。高麗駅から武蔵丘車両検修場までは徒歩15分ほどですが、会場へ向かう途中ですれ違った子供たちが「好きな新幹線は?」「やっぱりE5系かな」という会話を交わしていたのがとても印象に残っています(西武の電車ではありませんが……)。また当日は雨模様でしたが、午後にほんの少しだけ陽が差すタイミングがあり、「ビニールシートを持ってくれば良かった」と仰った方も。武蔵丘車両検修場の芝生の広場からは、「レッドアロークラシック」と「52席の至福」の並びを遠目に眺められました。

芝生の広場から眺める「レッドアロークラシック」「52席の至福」

文/写真:一橋正浩