【鉄の一瞥 17】 冬の駅 由利高原鉄道鳥海山ろく線 曲沢駅 津軽鉄道の五農校前駅
冬のローカル駅には、どこかしら清潔という印象を受ける。あまり人の気配を感じない場合が多いからかもしれない。一方、大自然の中に置かれた駅からはむしろ人間の温もりを感じる。
トップ画像は、由利高原鉄道鳥海山ろく線の曲沢駅。1989年(平成元年)開業。周囲は見事に農地で人家は全く見当たらない。遠くに前郷の集落が見える。
秋田内陸縦貫鉄道の岩野目駅。航空写真で見る限りこの駅の周辺にもあまり人家は無い。時間は午後3時頃なのだが、正に暗い冬空に荒涼とした雰囲気だ。
津軽鉄道の五農校前駅。朝の7時頃かな。青森県立五所川原農林高等学校が駅から300mくらいの所にある。生徒さんが二人降りた。
ヒバ材を使った駅舎が魅力的だが寒そうだ。
根室本線(花咲線)糸魚沢駅。ホーム上に青年がいる。
実はこの青年、厚岸で降りるつもりだったのだが、暖かな車内でついウトウトして乗り過ごしてしまったらしい。慌てて糸魚沢駅で降りたのが09:19。
次の上り列車は筆者の乗っていた厚岸06:21発の列車が根室に着いて、08:22に折り返し釧路行として糸魚沢に来る09:44まで無かった。それでもたった25分だったからラッキーだろう。
厳寒の中、彼はかなり薄着だった。おそらく駅までは自動車で送迎してもらう予定なのか、とにかくあまり寒い場所に留まることを想定した服装ではなかった。
糸魚沢駅の近くを国道が通っているが、およそ商店など無さそうだ。幸い糸魚沢には大きめの旧駅舎に替わって新しい待合室が2015年に作られている。しかし暖房は無かっただろう。
最後に弘南鉄道弘南線の田んぼアート駅。12月1日から3月31日まで、冬の間は列車が停車しない。だからホームは雪かきがされておらず、足跡も無い。運転士さんに尋ねたら夏の田んぼアートの時期にはそれなりに人の往来があるらしい。
春の駅も、夏の駅も、秋の駅も良いですけど。それはまた改めて。
(写真・記事/住田至朗)