〝新宿西口にそびえる巨艦・小田急百貨店本館〟と、新宿西口ハルク(左側)

小田急電鉄と小田急百貨店は2022年9月末(予定)で、新宿駅西口に建つ小田急百貨店本館の営業を終了する。小田急電鉄と東京メトロが建物を取り壊した上で、跡地に48階建ての高層ビルを共同建設するためで、百貨店本館は1967年に全面開業、半世紀以上にわたり、新宿のシンボルの一つとして親しまれてきた。

小田急とメトロの2棟の駅ビルを一体化した小田急百貨店は、外観が同一のパネルで統一された一棟のビルのように見えるが、館内は小田急部分とメトロ部分に段差がある。ビルは、駅前の西口広場とも一体化したデザインで、パリ万博日本館、鉄道関係では渋谷の東急百貨店東横店(一部)を設計したモダニズム建築家の坂倉準三(故人)が手掛けた。

小田急百貨店は本館閉館までに、新宿西口駅前に建つ「新宿西口ハルク」を改装。食品、化粧品、インターナショナルブティックなどを移転して、営業を継続する

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小田急と東京メトロの新宿駅西口地区地域開発計画は、国家戦略特別区域の都市再生プロジェクトで、延べ床面積28万1700平方メートル、地上48階、地下5階建ての高層ビルを2029年度竣工を目指して建設する。ビルには商業施設が入るが、営業形態は未定。

文:上里夏生
(画像:小田急百貨店)