大山・こま参道特別企画のビジュアルイメージ

鉄道事業者が旅客輸送から一歩踏み出し、沿線観光を主体的にブラッシュアップ(磨き上げ)するのが最近の流れ。小田急電鉄は今夏、神奈川県鎌倉市の不動産仲介会社・エンジョイワークスとタイアップして、同県伊勢原市の大山・こま参道を中心に、夏の特別企画を展開する。期間は2011年8月11~15日の5日間。

神奈川県伊勢原、秦野、厚木の3市にまたがる大山は、〝信仰の山〟として神奈川を代表する観光スポットの一つだが、最近は箱根などに人気を奪われている。小田急は、古民家再生に実績を持つエンジョイワークスが事務局を務める、「大山これから会議」に参画して地域振興に取り組む。

具体的には特別企画の5日間、小田急グループの大山観光電鉄が運行する大山ケーブルを、20時30分まで延長運転。山麓の大山ケーブル駅に近い旅館元瀧で実施するテントサウナ「雨降(あめふり)サウナ」では、燃料に郷土玩具「大山こま」の製造で出た端材を使用するなど、環境にも配慮した体験型観光メニューを用意する。サウナは貸切スタイルで、事前予約が必要になる。

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さらに、エリア内を風鈴で装飾して涼を演出するほか、朝採れ夏野菜の販売、大山寺の歴史が学べる紙芝居なども予定する。

大山これから会議は、小田急とエンジョイワークスが2020年9月に立ち上げた参加型プロジェクトで、「これからの大山を、みんなで考えつくっていく」をコンセプトに活動する。

文:上里夏生
(写真:小田急電鉄)