※2020年9月撮影

トップ画像は、山田線陸中川井駅。既視感があるなぁ、と思ったら既に解体撤去された川内駅ととてもよく似ているのです。もちろん陸中川井駅の木造駅舎は解体撤去されては、いません。

無人駅ですが駅の旧事務部分は川井交通というタクシー会社の事務所になっています。だから駅前にタクシーが駐まっています。

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※2020年9月撮影

陸中川井駅は、1933年(昭和8年)開業。駅構内に陸中川井機関車駐泊所が設置されましたが翌年廃止。

1946年(昭和21年)災害で平津戸駅~蟇目駅間不通。1947年(昭和22年)カスリーン台風の土砂災害で浅岸駅~千徳駅間不通。1948年(昭和23年)アイオン台風の土砂災害で松草駅~宮古駅間不通。1954年(昭和29年)ようやく1946年以降の被害復旧が完了。全線開通。

1970年(昭和45年)3月で蒸気機関車の運行が終了。無煙化されました。1982年(昭和57年)貨物取扱廃止。この年まで陸中川井駅には駅長さんがいました。

2011年(平成23年)3月東日本大震災で宮古駅~釜石駅間が壊滅的な被害を受けて不通。盛岡駅~宮古駅間は4月には復旧。2018年(平成30年)駅は無人化されます。

※2020年9月撮影

駅の北西側、背後を閉伊川が流れています。駅の向こうは山また山。

宮古駅に近づくまで山田線はひたすら閉伊川が削った山深い谷を走って行くのです。陸中川井駅も北に1117mの山、南は1010mの山の谷間です。

※2020年9月撮影

駅舎の盛岡側。ホームはかつては2面3線でしたが島式ホームは廃止、交換設備も引き込み線にされ保線車両が置かれていました。現在は駅舎側の単式ホームのみが使用されています。

※2020年9月撮影

駅前には自動車が駐まっていますが待合室やホームに利用者はいませんでした。時刻は午前11頃ですが上り列車は16時49分の快速リアスまで6時間近くありません。下りは12時35分の快速リアス宮古行まで90分ほどです。駐められているのはタクシー会社関係者のクルマでしょうか。

※2020年9月撮影

駅前は長閑。こちら側も周囲は山々です。右の丸益商店は残念ながら「本日休業」の貼り紙。タバコと雑貨や食品を商っておられる様です。どこへ行っても清涼飲料水の自動販売機があるので冷えた飲物には困りません。国道沿いにはコンビニエンスストアもあります。

※2020年9月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)