※2020年9月撮影

トップ画像は、山田線川内駅。JR九州鹿児島本線には川内(せんだい)駅があります。そのため当駅発着の切符には「(山)川内」と印字されるそうですが、岩手県の駅なのに何故(山)?

川内駅には、区界駅が面していた国道106号線を山田線に沿いながら東に向かいました。駅間で言えば、区界駅~松草駅8.0km、松草駅~平津戸駅8.6km、平津戸駅~川内駅9.3kmの計25.9km。おそらく国道では30km程でした。川内トンネル(405m)を出ると川内駅の道路案内看板があるので分かり易いです。駅のすぐ北を流れる閉井川の瀬音が聞こえます。

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※2020年9月撮影

川内駅は、1933年(昭和8年)開業。1946年(昭和21年)平津戸駅~蟇目駅間が風水害で不通になります。この後、カスリーン台風(1947年)アイオン台風(1948年)などの被災もあって山田線全線復旧は1954年(昭和29年)まで8年もかかりました。

1973年(昭和48年)貨物取扱廃止。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR東日本の駅になります。2018年(平成30年)山田線盛岡駅~宮古駅間が特殊自動閉塞に変更。3番線の使用停止。またCTC化により無人駅になりました。2020年(令和2年)木造駅舎に替わる新駅舎供用開始。

※2020年9月撮影

駅出入口、右に上りホームの駅名標。郵便ポストが妙に新しい。この駅舎を解体撤去した後に新しく換わる待合室は約8㎡ととてもコンパクトです。

※2020年9月撮影

川内駅は、1日に上り3本、下り4本が運転されています。5時57分の盛岡行の次は17時5分まで10時間以上ありません。下りも朝7時58分前から19時12分まで約11時間開きます。昼間に駅に来ても誰にも会わないワケです。

駅舎の左に火気厳禁の小屋があります。

※2020年9月撮影

川内駅は、南に早池峰山(1917m)がそびえる北上高地の山々のただ中です。周囲は山、また山。2010年の国勢調査データで川内駅を中心にした半径500mの円内には29世帯66人ですから決して多くはありません。ちなみにお隣の平津戸駅は同じ範囲に9世帯19人、松草駅も6世帯17人です。区界駅から川内駅までは人口の希薄な深い山の中なのです。

※2020年9月撮影

火気厳禁小屋の横から下り宮古方面が見えます。上り方面には蒸気機関車時代の給水塔が残っています。

※2020年9月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)