観光復活のカギは地域鉄道にあり 鉄道テーマパーク、チームトロッコ、ストーブ列車 「地域鉄道フォーラム2021」から(後編)【コラム】

2021.08.28

JR山陰線の廃止区間を引き継ぐ

紅葉の秋を走る「嵯峨野トロッコ列車」。井上社長はフォーラムで1分40秒の動画を公開しました

トキ鉄に続くのは、京都府の峨野観光鉄道。明治年間の1899年、京都鉄道が建設した山陰線嵯峨―園部間がルーツです。国有化、国鉄改革ではJR西日本に承継されましたが、山陰線の新線ルートが開業したのに伴い、旧線の嵯峨―馬堀間は1989年に廃止されました。

嵯峨野観光鉄道は、JRの廃止区間のうちトロッコ嵯峨~トロッコ亀岡間の8.2キロにトロッコ列車を運行します(0.9キロはJR西日本との共用区間で、嵯峨野観光鉄道の営業キロは7.3キロ)。井上社長によると、「通勤通学輸送はゼロ。日本で初めて、観光専業で開業した鉄道」とのことです。

コロナ前、乗客の4人に3人は訪日外国人だった

2019年度の利用客数は127万人で、うち76%が、中国、台湾、香港などからの外国人客でした。ところが、コロナでインバウンドはゼロ。トキ鉄と嵯峨野観光鉄道、走る地域や路線の性格は違いますが、利用状況は〝似たもの同士〟でした。

インバウンドが消滅しても、日本人は増えているそうです。今まで秋の紅葉シーズンなど、なかなかチケットが取れなかった観光列車に日本人が戻っているのかもしれません。

井上社長は、これまでの反省点として①閑散期対策が不十分、②海外旅客の国・地域的偏在が大きすぎる、③サービス向上の取り組みが近視眼的――を挙げました。

2021年4月に開業30周年を迎えた嵯峨野観光鉄道は、現在を〝第二の草創期〟と位置付けます。「古都・京都で、百年後も変わらない四季折々の景観を、質の高い車両とともに提供し続ける」、「地域の皆さまに、トロッコ列車が欠かせない存在と思っていただく」、「おもてなしの心で、25分(乗車時間)のドラマを提供する」を目標に掲げます。

現在同社で進行中の「30周年記念プロジェクト」に関しては、井上社長の資料を再掲しましたのでご覧ください。トークセッションでは、「チームトロッコで、未来に向かって出発進行!!」と力強く宣言しました。

多彩なプロジェクトが用意される嵯峨野観光鉄道の「30周年記念プロジェクト」

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