これぞ南紀 枯木灘【木造駅舎カタログ】紀勢本線27/196 見老津駅

2022.06.27

※2020年12月撮影

トップ画像は、紀勢本線見老津(みろづ)駅。無人駅ですが、駅舎には「すさみ町観光協会」の観光案内所とカフェがあります。建物財産標には「鉄 本屋 財産番号2001 昭和13年9月」と記載されていました。1938年の建物です。我が国では国家総動員法が施行され戦時体制が確立された年です。同時に1940年(昭和15年)に予定されていた東京オリンピックの開催権を返上。幻の第一回東京オリンピックになりました。

紀勢本線が太平洋岸を北上している部分、国道42号線と線路間の狭い部分に見老津駅舎があります。

※2020年12月撮影

1938年(昭和13年)国有鉄道紀勢西線が周参見駅から江住駅まで延伸され見老津駅は開業しました。1959年(昭和34年)最後まで残っていた三木里駅~新鹿駅間が開通して紀勢本線全通。線路名称改定で紀勢本線となり見老津駅も所属駅になります。1985年(昭和60年)駅は無人化。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化でJR西日本の駅になっています。2018年(平成30年)「すさみ町観光協会」の観光案内所とカフェが駅舎内にオープン。

国道を渡って駅舎を横から撮ろうとしましたが、滅多に来ない自動車がすごいスピードを出して通過すること、海側の安全帯が狭くてその外側は急な崖、海に落ちたら助からない雰囲気だったことなどから安全を考えて諦めました。

※2020年12月撮影

国道42号線の来し方、新宮方面を見ています。正に枯木灘の海です。強風で樹木も枯れるほどの荒海と言うところから枯木灘と呼ばれたのです。海岸段丘が海に迫る岩石海岸の素晴らしい眺めです。

※2020年12月撮影

駅前の眺望。素晴らしいのひと言!

※2020年12月撮影

ようやく南紀らしい美しい海景を見ることができました。ホームからはさらに広い海原を望むことができます。

隣の周参見駅までは駅間が9.0kmと紀勢本線では最長。約10kmも単線区間が続くため途中に列車交換のできる双子山信号場が設けられています。

余談ですが、紀伊長島駅と梅ヶ谷駅間も8.9kmとこの駅間に匹敵しますが、荷坂トンネル(1,914m)、片上トンネル、小山トンネル、東山トンネル、二郷トンネル(522m)、上山トンネル、尾山トンネル、本山トンネル、楠平トンネル、立羽トンネル、大名倉トンネル(638m)、峰山トンネル、岩本山トンネルと13ものトンネルの連なる山間部の難所です。信号場は設けられていません。

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)


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