帰る場所が分からないお婆さんに遭遇【木造駅舎カタログ】紀勢本線43/212 初島駅

2022.07.13

※2020年12月撮影

トップ画像は、紀勢本線初島駅。大きな木造駅舎ですが無人駅。屋根が半分瓦葺きで残りはトタンというヘンな屋根でした。駅前は住宅街で店舗などはありません。

この駅で奇妙なコトがありました。引きずるような荷物を持ったお婆さんが改札口の辺りを半泣きでウロウロしていたので「どうかしましたか?」と声をかけました。

ところがお婆さんの言うコトが支離滅裂でサッパリ要領を得ないのです。

どうにか分かったコトは、病院から外出許可をもらって自宅に戻ったのですが、お婆さんは今日病院に帰らなければならないコトでした。しかし、病院が何処にあるのか分からない。病院の名前も分からない。何かクスリの袋か何か病院の名前が記されているものは?

何も持っていない・・・!

タクシーを呼んで乗せてあげようと思ったのですがそれができません。駅前は住宅しかないので無人駅にお婆さんを放って行くコトも出来ない・・・。

筆者が途方に暮れていたらたまたま通りかかったご婦人がいたので、お婆さんの事情と、自分は旅人でこの後レンタカーで移動する旨を伝えたら引き継いでお婆さんの相談にのってくれました。

筆者が駅の撮影を終えて出発する頃には、ご婦人も万策尽きて警察官をよんでいました。お婆さんは、認知症がかなり進んでいた様です。いずれにしても一人で出歩ける状態ではない様です。

※2020年12月撮影

その様な騒動がありましたが、初島駅の写真に戻ります。

※2020年12月撮影

初島駅は、1938年(昭和13年)国有鉄道紀勢西線の簡易停車場として開業。1942年(昭和17年)駅近くの燃料工場に専用側線が敷かれ駅長以下8人の駅員が配置されました。1944年(昭和19年)駅舎が竣工しましたが翌年空襲で駅舎は焼失。1949年(昭和24年)現在の駅舎が完成。1959年(昭和34年)全通した紀勢本線の所属駅になりました。国鉄分割民営化でJR西日本に承継。2007年(平成19年)駅舎補強工事。2018年(平成30年)駅は無人化。

駅舎はキレイに外装が改修されています。

※2020年12月撮影

駅出入口。改札口にICカード簡易改札機があります。お婆さんは最初簡易改札機の扱い方が分からなくてウロウロしていたのです。そもそもお婆さんがこの駅で降りた理由が最後まで分かりませんでした。

清涼飲料水などの自動販売機が出入口に3台、待合室内に2台、改札を構内に入った所にも1台。計6台もありました。そんなに需要があるのでしょうか・・・。

※2020年12月撮影

駅舎前はロータリーになっています。

※2020年12月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)


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