線路と道路の両方を走れるDMV

3台勢ぞろいしたDMV。線路走行はもちろんですが、道路を並んで走るシーンも絵になる1枚です

四国DCの開催概要は2021年8月、JRグループと四国DC推進協議会が連名で発表済みです。ここでは地域観光の推進母体・四国ツーリズム創造機構がDC直前の2021年9月24日、旅行会社向けにオンライン配信した「2021年度四国観光情報プレゼンテーション」から、リリースにないもの含め鉄道情報を案内します。

ということで、全国の鉄道ファンが興味シンシンなのはおそらくこれ。〝線路と道路の両方を走れる次世代車両!〟の「DMV(デュアル・モード・ビークル)」でしょう。

プレゼンで、徳島県はDMVを披露。珍しい乗り物というだけでなく、「徳島の新しい観光資源」の期待をDMVに込めました。

鉄道で阿波海南から甲浦へ、そして道路へ

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DMVが初めて本格営業運転されるのは、第三セクターの阿佐海岸鉄道。日本鉄道建設公団(現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構の前身)が国鉄新線として建設していた阿佐線を地元が引き継ぎ、1992年3月に開業しました。

路線は、JR牟岐線に接続する阿波海南から甲浦までの10.0キロ。DMVの旗を振るのが徳島県で、2011年に検討開始。当初は2020年までの運行開始を予定していたようですが、諸般の事情で延期され、現在はDC期限ぎりぎりですが、2021年内運転開始が目標です。

徳島県の資料に、「車両自体が観光資源!」のフレーズがありました。画像を見れば、「一度乗ってみたい」と思う鉄道ファンも多いでしょう。プレゼンでは、地図上の位置関係から「〝四国の右下〟でルート開発が進みます」とアピールされ、試験運行の様子が動画で流れました。

デザイン的には前頭部のボンネットが、どこか遊園地の乗り物のよう。ちなみに、ボンネット下には、鉄道用の車輪が隠されているそうです。

DMVには鉄道ファンばかりでなく、全国の自治体関係者や地方鉄道が注目します。かつて富山市では富山ライトレールの運行開始時、自治体関係者が数多く視察に訪れたそうですが、同じようにDMVには全国から関係者の来訪が相次ぐかもしれませんね。