「千年の歴史に思いをはせる大人の遊山へ」

JR四国の観光列車一覧。ほぼ全線に観光列車が走ります

プレゼンでJR四国は、伊予灘ものがたりのほか、10本の観光列車を紹介しました。2017年に登場した「四国まんなか千年ものがたり」は、3両編成の気動車。キャッチフレーズは「千年の歴史に思いをはせるおとなの遊山へ」。遊山(ゆさん)とは一昔前、徳島の子どもたちが桃の節句のころ、野山で一日を過ごしたピクニックのようなものとか。

列車は香川県と徳島県の間を運行。「食事」、「アテンダントのサービス」、「大歩危峡の絶景」の3点セットで乗客を迎えます。

2021年7月から、愛媛・高知県の松山―宇和島―窪川間に登場した新鋭が「鬼列車」。鬼と聞くと、大ヒットしたあのアニメを思い出しますが、列車は愛媛県の山間地にある鬼北町が名の由来。同町は2013年度から、〝鬼のまちづくり〟に取り組んでおり、JR四国も町おこしに一役買おうと鬼の特別塗装車を発想しました。

瀬戸大橋ツアーで列車を「撮り鉄」

明石海峡塔頂体験ツアーで地上300メートルから眺める淡路島の夜景

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このほかの列車やイベントに関しては、JR四国や四国ツーリズム創造機構のホームページでチェックしていただくとして、私が注目したのは本四高速のプレゼン。本四高速は本州四国連絡橋、つまりは瀬戸大橋や明石海峡大橋を管轄する高速道路会社です。瀬戸大橋の鉄道施設(JR瀬戸大橋線)を管理する点では鉄道にも無関係とはいえないのですが、クルマを早く通すのが本来の役目です。

それが四国DCでは、観光目的に橋の管理施設を開放。「明石海峡大橋塔頂体験ツアー」では、高さ300メートルの主塔から、みなと神戸の夜景を眺望します。「瀬戸大橋塔頂体験ツアー」では、瀬戸大橋線を通る列車を間近から眺めます。

高速道路の施設を開放するインフラツーリズムは、全国的にも珍しいはず。プレゼンを聞きながら、瀬戸大橋と鉄道車両基地見学をセットにした「鉄道+道路インフラツーリズム」も催行できるのではなどと考えました。

瀬戸大橋塔頂体験ツアーでは、こんな迫力いっぱいの1枚が撮れます

画像:一部を除き四国ツーリズム創造機構の2021年度四国観光情報プレゼンテーションから
記事:上里夏生