2022年の鉄道事始めは「小田急ロマンスカー」で 箱根を「観光型MaaS」でめぐる 強羅からゴールデンコースで箱根湯本の日帰り温泉へ(後編)【コラム】
正式名称は箱根登山鉄道鋼索線
後編は、登山鉄道終点の強羅駅からダーツの旅ならぬMaaSの旅を始めます。強羅駅は、登山鉄道とほぼ直角にケーブルカー駅があります。ケーブルカーの正式名称は「箱根登山鉄道鋼索線」で、開業は大正年間の1921年。日本のケーブルカーでは、近畿日本鉄道の生駒ケーブル(生駒鋼索線)に続き2番目に長い歴史を持ちます。
路線は強羅―早雲山間の1.2キロで、途中に公園下、公園上、中強羅、上強羅の4駅があるのがケーブルカーでは珍しい点。中強羅駅や上強羅駅は車両の両側にホームがあり、左右両方のドアが開きます。ホームをわたる踏切や跨線橋はなく、降りるホームを間違えないよう、車内放送で注意をうながします。
延長約4キロ、およそ25分間の空中散歩
早雲山駅からが箱根紀行のハイライト。芦ノ湖畔までの空中散歩が待ちかまえます。箱根ロープウェイ(小田急箱根ホールディングスの子会社)は1959年4月に設立され、その年の12月に早雲山―大涌谷間、翌1960年9月に大涌谷―桃源台間が開通して、早雲山―桃源台間が全通しました。
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日本のロープウェイでは最長で、「複式単線自動循環式(フニテル)」と呼ばれる方式を採用しています。ゴンドラが両腕を伸ばして2本のロープにぶら下がるスタイルで、風に強いのが特徴です。
箱根ロープウェイはバリアフリー化に力を入れ、車いすのままでの乗車が可能に。人にやさしい移動の取り組みが評価され、2008年に第2回「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」を受けています。2009年7月には、ギネスブックからゴンドラ・リフト部門で乗車人員世界一に認定されました。
2020年9月に全線開通60周年を迎えた箱根ロープウェイからは、最近も安全運行のための設備投資や設備更新、訪日外国人に向けた多言語対応サービスといったニュースが発信されています。