1966(昭和41)年から1978(昭和53)年にかけて国鉄が700両以上も製造し、民営化後のJR各社をはじめ、八戸臨海鉄道、秋田臨海鉄道、真岡鐵道、わたらせ渓谷鐵道、東武鉄道、西濃鉄道、樽見鉄道、神岡鉄道、嵯峨野観光鉄道、衣浦臨海鉄道などのローカル私鉄・第三セクター鉄道などにも活躍の場を広げた中型ディーゼル機関車―――DE10。

この DE10 にそっくりなスタイルで、国鉄が100両以上をつくったのが、DE11形ディーゼル機関車。

DE11は、本線での客車けん引列車運用などを想定せず、貨物ヤードでの入れ換え専用機として設計されたことから、蒸気発生装置 SG 非搭載、重連総括制御機能や総括制御にむけたジャンパ栓なども非搭載で、連結器まわりがすっきりしたスタイル。

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そんなDE11形ディーゼル機関車も、目立たずひっそりと絶滅危惧種に。

1969(昭和44)年から46両がつくられた1000番台は、国鉄民営化後、10機がJR東日本に渡り、徐々に転属・廃車などを重ね、1041 が高崎車両センター高崎支所にされるのみに。

また2000年代には、1029・1032・1034・1045 の4機がJR貨物に行き、その後の行方にファンは注目していた。

岡山機関区にいた DE11 1034 がついに廃車回送

先週末には、岡山機関区にずっと留置されていた DE11 1034 が、倉敷貨物ターミナルへと廃車回送。

2021年の貨物時刻表 機関車配置表には、DE11 1029 だけが仙台総合鉄道部に記されている。そのほか、1032 は秋田港駅でずっと留置されている姿も見受けるが、その後の消息はつかめない。

―――現状、残る DE11 は、高崎にいる 1041 と、仙台の 1029 だけか。DD200形ディーゼル機関車などの登場の影で、ひっそりと消えつつあるDE11形ディーゼル機関車1000番台。いまのうちにその姿を確認しておきたい。

いっぽうで、防音スカートや大型排気消音器、ラジエーター容量拡大などの改良を受け4両がつくられたDE11 2000番台は、いまも横浜羽沢駅や相模貨物駅とそのまわりで活躍している。

◆東武鉄道 DE10 けん引 客車列車、会津田島へ営業運転 初乗り入れで気になること
https://tetsudo-ch.com/12129115.html

◆東武鉄道の甲種輸送など車両搬入、秩父鉄道経由から栗橋連絡線で受け渡しへ
https://tetsudo-ch.com/12134677.html

(DE11形イメージ写真:masamura / PIXTA, Ekimago / PIXTA)