国鉄会津線、電源開発貨物専用線、国鉄只見線がつながって「只見線」誕生

ここからJR只見線の歴史、さらには見どころを駆け足で。只見線は福島側からの会津線、新潟側からの只見線の国鉄2線区が路線を伸ばし、田子倉ダム(福島県只見町)建設の資材輸送用鉄道を介して、一つの線区になりました。

会津若松―小出間の全線開業は1971年8月。只見線は2021年に開業50周年を迎えました。SL全廃は1974年と比較的遅く、オールドファンにはカメラやテープレコーダーを片手に、ドラフト音を追いかけた方がいらっしゃるかもしれません。

国鉄民営化後、2001年10月に全線開通30周年記念として「SL&DL会津只見号」が運転されたことも。2020年からは、会津若松―会津川口間にキハE120系、只見―小出間にキハ110系が運行されます。

只見川をせき止めた人造湖

田子倉ダムの天端部(写真:s.suzuki / PIXTA)

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只見線を代表するスポットが田子倉ダム。只見川をせき止めて誕生した人造湖で、水力発電所として日本最大級。鉄道は只見駅が最寄りですが、ガイドブックに「タクシー15分」とあるので、時間的に余裕をみた方がいいかも。

撮り鉄の皆さんは、日本の原風景・会津の里を行くローカル列車に魅力を感じるでしょう。会津蒲生―只見間の秋、名産の「みしらず柿」の下を走る列車が撮影できます。みしらずの語源は「身の程知らず」。たわわに実を付ける柿の木から発想しました(みしらず柿の語源は諸説あります)。

只見―大白川間の六十里越トンネルは、全長6349メートルの長大トンネル。1971年の開通で、これで只見線が全通しました。

会津地方は、温泉郷として全国に知られます。只見線沿線にも、柳津、西山、宮下、早戸、大塩、只見といった温泉郷があります。

全線運転再開当日は記念列車も

ラストは、JR東日本仙台、新潟の両支社が2022年7月13日に発表した会津川口―只見間復旧後の新ダイヤ。全通する下り直通列車は会津若松発が6時8分、13時5分、17時、上り小出発が5時36分、13時12分、16時12分の合計6本。会津若松―会津川口間、只見―小出間で一部列車の時刻や両数を変更、会津若松―只見間でワンマン運転を開始します。

全線再開の10月1日は、記念列車の運転や沿線自治体と連携した記念セレモニー、イベントと盛りだくさん。JR東日本は、奥会津の四季折々の魅力を体感できる特別ツアーを企画しています。ツアーの詳細は、ぜひネットで検索してみてください。

記事:上里夏生