輸送人員は39社合わせても東京メトロの25分の1以下

東京メトロ有楽町線・副都心線を走る17000系(写真:鉄道チャンネル編集部)

会員39社を合計した、2021年度の年間輸送人員は7451万人(1000人単位で四捨五入)。2020年度は6924万人で、実数で527万人、率で7.6%増加しました。会員数が40社なのに実績が1社少ないのは、京都府と兵庫県にまたがる北近畿タンゴ鉄道の特殊要因。タンゴ鉄道は経営の上下分離で、列車運行をWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)に移管したため、輸送実績がありません。

7451万人の輸送実績といわれても実感がわきませんが、参考値が東京メトロの輸送実績。メトロの2021年度輸送人員は19億378万人(定期と定期外の合計)。三セク39社あわせても、メトロの25分の1以下です。

40社合計の決算は126億円の経常赤字

次に決算。タンゴ鉄道を加えた、会員40社全体の経常赤字額(鉄道事業に関連事業を加えた数字)は126億3900万円で、2020年度の122億2000万円に比べ4億1900万円悪化しました。全体輸送量が増えたのに決算が悪化したのは、一部鉄道が災害復旧費を計上したのが主な理由です。

2020年度は40社すべてが赤字でしたが、2021年度は平成筑豊鉄道がただ一社、1100万円の黒字を確保しました。同社にうかがったところ、補助金の受け入れ時期変更が黒字化の主な理由。経営環境が厳しいことは変わりません。

夏休み後半、そして秋の行楽シーズンには三セク鉄道に乗り鉄しましょう。東京から日帰りできる路線には、千葉県のいすみ鉄道、茨城県の鹿島臨海鉄道、大阪からは滋賀県の信楽高原鐵道、兵庫・鳥取県の智頭急行などがあります。

記事:上里夏生