これまで、患者やその家族たちを長年悩ませてきた C型肝炎 は、実はいま「撲滅への最終章に入った」という。

専門医療チームや医学研究分野、製薬分野などが「C型肝炎はしっかり治療すればちゃんと治る」という理由と最新情報が、9月27日に都内で開催された「C型肝炎撲滅への最終章:残されたアンメットニーズ」セミナー(主催:ギリアド・サイエンシズ)でわかった。

同セミナーには、千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学 加藤直也 教授や、肝臓病患者の会NPO法人 東京肝臓友の会 米澤敦子 事務局長が登壇。「C型肝炎撲滅への最終章の現状と課題」「コロナ禍の患者の実態」について説明した。

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このセミナーで注目したいトピックスが↓↓↓

C型肝炎ウイルスは、薬でほぼ除去できる!

ギリアド・サイエンシズが製造・販売を手がける抗ウイルス剤エプクルーサ配合錠(ソホスブビル・ベルパタスビル)は、1日1回1錠、12週間の服用で、C型慢性肝炎、C型代償性肝硬変、C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善、ウイルスを体内からほぼ除去できるという事実。

千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学 加藤直也 教授らの試験によれば、C型代償性肝硬変の患者37人が、12週間、指定通りにエプクルーサ配合錠を服用したところ、37人が治療を完遂し、全員がウイルス排除に成功した。

C型肝炎ウイルスは薬で除去できるのに、未だ治療していない人も

C型肝炎は、薬で治るのに、C型肝炎のまわりには、実はまだ大きな壁が立ちはだかっている。

C型肝炎ウイルス(HCV)感染者数は、90〜130万人と推定されているなかで、25〜75万人がHCV感染を知りながら治療を受けていない。

さらに、30万人が自らの感染を知らないといわれているのだ。その理由として多いのが “症状がないこと”があげられる。

HCVに感染した肝臓は、放置すると肝硬変や肝がんへ

HCVに感染すると、約7割はウイルスが持続感染するキャリアとなり、肝臓の炎症が長期間にわたって続く。

その後、肝硬変や肝がんへと進行するリスクが高くなるため、早期の診断と治療開始によりこれらのリスクを予防することは、長年の課題に。

また、「肝硬変の診断は意外と難しい」「非代償性肝硬変の診断も誤りやすい」(加藤直也 教授)ともいわれ、不安がある人は早めにかかりつけ医や定期的な診断をと専門医たちは伝えている。

肝臓は沈黙の臓器、症状がなくても積極的な受診が大事

「1〜2センチの肝臓がん1個があっても目立った症状がない」といわれる沈黙の臓器―――肝臓は、早く確かにチェックすることが重要になる。

加藤直也 教授は、「一般社団法人 日本肝臓学会の公式サイト↓↓↓で、肝臓専門医一覧からかかりつけ医を検索するというのも第一歩」という。
https://www.jsh.or.jp/medical/

C型肝炎の患者はウイルス排除に成功したとしても、「お腹の超音波検査を定期的に受診してほしい。半年に一回の超音波検査でも、膵臓がんや胆臓がんも早く発見できる。肝硬変などリスクの高い患者は、できれば3か月か4か月に1回の超音波検査に加え、肝臓がんの腫瘍マーカーも受けてほしい」と加藤直也 教授はいう。

また米澤敦子 事務局長は、「東京肝臓友の会が発信する肝臓に関する情報↓↓↓をチェックし、肝炎について正しく理解してほしい。肝炎と向き合い、克服する気持ちを。不安があったら電話相談へ」と伝えている。
https://tokankai.com/

―――治療薬の正しい服用で、C型肝炎ウイルスは除去できる時代。いまこそ、C型肝炎ウイルスを薬で撲滅し、肝硬変や肝臓がんにつながるリスクを断ち切る第一歩を。