多摩都市モノレールが箱根ケ崎に延伸 鉄道空白の武蔵村山市に待望の新駅続々 都の説明会資料から計画を読み解く【コラム】
箱根ケ崎への延伸計画を読み解く
ここから説明会(正式には「多摩都市モノレールの延伸〈上北台―箱根ケ崎〉計画及び関連する都市計画道路に関する都市計画素案説明会」)資料にもとづき、延伸計画をご報告します。
延伸線は東京圏の鉄道整備の方向性を示す、交通政策審議会の2016年4月答申で、「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」の期待が打ちだされ、箱根ケ崎方面延伸に関して「事業化に向けて具体的な調整を進めるべき」の方向性が示されました。
時代の流れをみれば、東京オリンピック・パラリンピックが無事終了し、鉄軌道整備に力を入れる環境が整いました。この点、2022年に入って計画が本格化した、東京メトロ有楽町線や南北線の延伸にも共通します。
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東京都は2020年1月、用地確保が進み沿線自治体からの要望が強い、上北台―箱根ケ崎間の延伸事業に着手することを正式発表しています。
高架の軌道を新青梅街道上に整備
延伸線は延長約7キロの新線。終点駅(駅名は未定、資料では「(仮称)No.7駅」と表記されます)を除く途中駅は6駅で、平均駅間距離は約1.2キロ。JR箱根ケ崎を除き既存鉄道への接続はなく、主要幹線道路との交差部にモノレール駅を設ける予定です。
路線は全線高架。新青梅街道(多摩エリアは東京都道5号新宿青梅線)の沿いに建設されます。都は道路拡幅とモノレール整備を一体的に進めることで、円滑な施工と工事効率化を両立させます。
駅コンコースは2階、ホームは3階
延伸線の標準区間は、複線の軌道幅8メートル、地上からの高さ17メートル。駅部はコンコース階の上にホーム階を設けます。既設区間のホームの形状は、軌道両側にホームがある対向式ホームですが、延伸区間は整備費低減などの観点から、複線の軌道中央にホームがある島式ホームを採用します。
駅構造の例外が、終点のNo.7駅。横田飛行場の航空制限で、ホームとコンコースは同じ2階に設けます。同駅は幅17.5メートル、高さ13メートルで、他の6駅より若干コンパクトになります。