車窓にはスカイツリーや富士山も? 延伸線ができると何が変わるか

それでは、かなりのフライングかもしれませんが、延伸線にバーチャル乗車しましょう。上北台を発車したモノレールは、それまでの南北方向から東西方向に90度向きを変え、新青梅街道上空に入ります。

車窓に広がるのは住宅地や緑地。モノレールの既設線からは奥多摩の山々はもちろん、富士山や東京スカイツリーも遠望できるそうなので、新しいビュースポット誕生の可能性も大です。

モノレールが走るのは地上17メートル。眺望の良さが期待できます(写真:ニングル / PIXTA)

多摩都市モノレールは観光鉄道ではありませんが、ファンの乗車を意識します。車両は高架を走る鉄道らしい眺望を楽しめる、高さ1メートルの大窓を採用。床面から20センチ高くした展望席も設けます。1編成あたり2カ所の車いすスペースを備えるなど、バリアフリー対応も万全です。多摩都市モノレールはファンやファミリー向けイベントにも熱心で、今年の11月19日には車両基地見学会「多摩モノまつり2022」も開催します。

ADVERTISEMENT

モノレールが間近を通るのが、武蔵村山市の阿豆佐味天(あずさみてん)神社。江戸時代初期の1629年創建で、安産などにご利益ありとされます。

立川―箱根ケ崎間がダブルルートに

鉄道ファン目線でもう少々。延伸線が完成すると、立川―箱根ケ崎間がモノレールとJR線(八高線と青梅線)のダブルルートになります。新宿などから埼京線(川越線)で高麗川へ、八高線箱根ケ崎からモノレールに乗り換えて立川または高幡不動、多摩センターに抜ける大回りルートが誕生します。

今後の工程は、都市計画決定手続きや環境影響評価を経て工事着手になりますが、順調にいけば今後3年以内には着工できるそう。正式ではありませんが、2032年ごろ開業というスケジュールも示されています。今後も工事の進展に注目したいと思います。

記事:上里夏生