渡良瀬川の渓谷美といっしょにコトンコトンと行く、わたらせ渓谷鐵道。

国鉄足尾線を引き継いだ第三セクターの気動車 間藤行きが神戸駅(ごうどえき)を発つと、すぐに長いトンネルに入る。

このトンネルができるまでは、列車は地上を走っていた。草木ダムができるまでは。

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Twitter動画↑↑↑でみえる水面が、草木ダム。いまのわたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線は、この背後の山をトンネルで貫いている。

かつての旧線は、このダムの対岸のあたりを走っていた。

画像↑↑↑は、この旧線の先にある足尾駅に留置されている、足尾銅山時代に活躍していたと思われる入換機(貨車移動機)。この足尾駅前をさまよう時間はこのあと別で記すとして、ここはある稼働資産と“ある鉄道の支柱”をみに。

渡良瀬川沿いの静寂のなかに、産業遺産と地元グルメの集積地―――通洞

ここまで、わたらせ渓谷鐵道や東武鉄道線、沿線の路線バスなどが乗り降り自由、美術館やホテルの割引や無料特典などがいっぱいの「日光・足尾ルートパス」でやってきた。

神戸駅と富弘美術館を結ぶ東町路線バスで草木ダム展望台へ行ったあと、列車に再び乗って冒頭の草木トンネルを5km以上走って、さらに沢入駅を過ぎ、群馬・栃木県境を越え、栃木県日光市の通洞駅へ。

実は、足尾町の人たちでにぎわう駅は、ひとつ先の足尾駅ではなく、ここ通洞駅。鉄道トロッコに乗れる足尾銅山観光もここ通洞が最寄り駅。

駅舎は北方ヨーロッパの木造建築技法 ハーフティンバー様式で、柱や梁が外に出ているのが特徴。駅舎やプラットホームは登録有形文化財にも登録されている。

足尾銅山観光などはこのあとまた別で記すとして、ここでは静かに渡良瀬川沿いにある産業遺産(稼働資産)をじっくりみつめる時間を↓↓↓

そのひとつが、古河機械金属 通洞変電所

通洞駅から渡良瀬川下流へ向けて歩いて10分。ちょっと不気味な気配も感じるのが、古河機械金属 通洞変電所。産業遺産のなかでも現役の稼働遺産で、日光市の説明書きにはこう記されている。

「昭和46年の記録によると、足尾銅山は使用する電力の全量を古河鉱業日光発電事務所(平成15年に古河日光発電株式会社)に所属する5つの発電所(馬道発電所・細尾発電所・上ノ代発電所・背戸山発電所・神戸発電所)によってまかなっています。

そしてこれらの発電所より、日光足尾2回線、神戸足尾1回線の送電線を経て、通洞変電所・本山変電所・間藤変電所で受電し、それぞれの受持電力使用箇所に送電されました。

通洞変電所は、足尾銅山関連施設の多くが廃止され、また取り壊されているなかで、現在も足尾地域に電力を供給(東京電力が古河日光発電の施設を使用して各家庭に送電)していると同時に、電力需要の拡大にともなう増設・改変の歴史を伝える貴重な施設です」(日光市)

―――なるほど。現役なんだ。足尾銅山時代の産業遺産が、いまも地域の人たちの暮らしに活かされている。渡良瀬川のせせらぎと、鳥の鳴き声しか聞こえないこの変電所の前で、そんなローカルのインフラパワーを感じながら、深呼吸。

さらに、鉄道好きな旅人の心をつかむ、“鉄道物件”が、この眺めの先にある。それが↓↓↓

鉄道の仲間、有越鉄索塔というロープウェーの痕跡

画像↑↑↑で左側、山の岩肌が露出している付近の右側に、コンクリート造の塔がみえる。

これが、有越鉄索塔索道(鉄索)の支柱。物資や廃石、廃泥の運搬に用いられた輸送用のロープウエーで、この付近には明治期の細尾索道架設以降、数多くの索道が架けられたという。

「有越鉄索塔は、通洞選鉱所から廃泥を堆積場へ運搬するための索道の支柱として、昭和14年に建てられました。昭和35年に簀子橋堆積場が完成しトラック輸送に変わったことにより使命を終えました」(日光市)

ロープウェーもおおらかにいうと、鉄道の仲間。ここ通洞駅前の渡良瀬川沿いには、足尾銅山観光の鉄道トロッコをはじめ、鉄道物件がいろいろあって、日常の忙しさを忘れさせてくれる、静寂と遺産の美を感じる非日常時間がある―――。

足尾の中心街、通洞駅前には絶品グルメも昭和レトロもいろいろ!

そして、ゆっくり歩く時間があれば、通洞駅と渡良瀬川にはさまれた街のなかへ。

いまも足尾銅山時代のにぎわいの面影を残す街並みは、昭和レトロファンにおすすめ。

ソースカツ丼で知られる植佐食堂や、うな重・とり丼などで人気の食事処 川本、天然きのこそば・うどんなどがあるさんしょう家と、地元絶品グルメもぎゅっと詰まってるから、ゆっくり歩いて、足尾時間を体感してみて。

そんな足尾銅山 産業遺産の街、通洞へは「日光・足尾ルートパス」がめっちゃお得で便利!

わたらせ渓谷鐵道(旧 足尾線)沿線の群馬・上州グルメや世界遺産 日光(栃木)の絶景・絶品スポットへ行くなら、3月30日までの期間限定「日光・足尾ルートパス」(紙券きっぷ)が断然お得で便利!

この「日光・足尾ルートパス」は、東武鉄道(東上線・越生線 除く)&わたらせ渓谷鐵道の列車が乗り降り自由、日光市営バスを乗り継いで足尾と日光をぐるっと結ぶ旅ができる、3月30日までの冬季限定“日光・足尾ぐるっとひと筆書き超お得きっぷ”。

東武日光からまわる反時計回り、わたらせ渓谷鐵道からまわる時計回り、どちらかのルートを選択し、東武線発着駅からわたらせ渓谷鐵道、日光市営バス、東町路線バス、おりひめバス(旧市内エリア)を利用して日光・足尾エリアを周遊できる。

価格はなんと大人3500円、子ども1760円!

この「日光・足尾ルートパス」は、開始日より2日間有効で、価格はなんと大人3500円、子ども1760円!

特急券・座席指定券・SL座席指定券などを別途購入すれば、東武線の特急列車・座席指定列車・SL大樹・ふたら にも乗れちゃう。

しかも、桐生市内 おりひめバス旧市内エリア 無料乗り放題、みどり市内 東町路線バス 無料乗り放題、足尾銅山観光 入場料100円引き、水沼駅温泉センター・富弘美術館 入浴・入館料2割引き、サンレイク草木 宿泊で朝食無料・日帰り入浴無料など、特典もいろいろ!

日光・足尾を、東武線・わたらせ渓谷鐵道・日光市営バスでぐるっと一方通行で旅するならば、間違いなく「日光・足尾ルートパス」がお得で便利。

発売(発券)場所やそのほかの詳細については、「日光・足尾ルートパス」で検索して、公式サイトをチェックしてみて!