芦ノ湖や富士山の大パノラマが楽しめる箱根ロープウェイ(画像提供:小田急エージェンシー)

箱根登山鉄道は2023年4月18日、箱根ロープウェイ(神奈川県箱根町)の運賃を改定する。現在の区間制運賃から、より分かりやすい均一制運賃に変更。日本人観光客のほか、訪日外国人旅行者の利用促進を図る。

1960年9月までに早雲山ー桃源台間の全線が開業した箱根ロープウェイは、全長約4キロで、日本のロープウェイで最長だ。運行系統は、早雲山ー大湧谷間と大湧谷ー桃源台間で区分され、大湧谷での乗り換えが必要。大湧谷ー桃源台間には途中駅の姥子(うばこ)がある。

現行運賃は多くの一般鉄道と同じ区間制で、駅間ごとに運賃が設定される。しかし、実際には多くの利用客が全線を通しで乗車するため、春の観光シーズンに合わせて均一制運賃に移行することにした。

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新しい運賃は乗車区間に関係なく大人片道1500円、往復2500円、子ども片道500円、往復800円(途中下車可能)で、全線片道乗車の場合、現在の1550円に比べ50円の値下げになる。子ども運賃を大人の約3分の1にして、ファミリー客の利用促進を図るのは、同じグループの小田急電鉄に共通する。

箱根登山鉄道と箱根ロープウェイはこれまで別会社だったが、2022年4月1日に合併。両社ともに「箱根ゴールデンルート」を受け持つ交通事業者として、一貫したサービス体制を打ち出した。

箱根登山鉄道の鉄道線(小田原ー強羅間)はロープウェイに先行して、2022年10月1日から運賃を改定。初乗り(大人)を140円から160円にするなど、全体平均10.9%の運賃値上げを実施した。

記事:上里夏生