名鉄9500系車両(写真:A8W / PIXTA)

名鉄は27日、中期経営計画に基づく2023年度設備投資計画を発表しました。

設備投資額は合計307億円で、鉄道事業には192億円を投じます。安全対策・都市計画事業の一環として知立駅付近の高架化工事などを行うほか、駅や車両の快適性・利便性向上にも努めます。

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通勤型車両を18両新造

車両関係では通勤型車両9500系と9100系の新造計画を発表。内訳は9500系(4両組成)、9100系(2両組成)ともに3編成ずつ、計18両です。

9500系・9100系は車内の安全や環境に配慮した省エネ車両で、走行時に使用する電力量は更新対象となる車両の5割ほどということです。

金山駅の大規模リニューアル

駅などの施設に関しては、金山駅の大規模リニューアルを引き続き実施。中部国際空港駅の到着予定時刻や特別車の空席情報などを表示する専用の案内表示器を設置し、中部国際空港(セントレア)への拠点駅として機能強化を図ります。またウォークインタイプの改札を新設するなど、係員によるきめ細やかな対応を行う環境の整備に努めます。

そのほかにも、金山駅へのホームドア導入に向けた実証試験の準備や、列車運行情報を駅の専用ディスプレイに表示する「エムビジョン」、継続定期券発売・クレジット決済対応可能な新型券売機や精算機能を追加した新型チャージ機の導入を進めます。

「μPLAT東岡崎」2024年春開業予定

東岡崎駅再開発計画では、開発コンセプト「SWING HIGAOKA」を基に、先行して駅南口に三河地区初のミュープラットシリーズ「μPLAT東岡崎」を展開します。竣工は2023年度、開業は2024年春を予定しています。

東岡崎駅南口ビルイメージ(画像:名鉄)

布袋駅では高架下に木造の商業施設を展開。これは同駅の旧駅舎が名鉄最古の木造駅舎だったことを踏まえ、当時の駅舎のモチーフやデザインを用いながらもモダンな空間とします。こちらも竣工は2023年度、2024年春開業の予定です。

神宮前駅周辺では「データセンター」の2024年春開業に向けて建設を進めます。

システム改善やDX推進に30億

鉄道事業や開発事業以外の項目として、エリア版MaaS「CentX」の連携拡大や機能強化、業務効率化に向けたDXの推進などにも力を入れます。投資額は30億円です。

運賃改定は2024年春頃か

名鉄はテレワークなど新常態の定着や電力料金・資材価格などの高騰から、今後も厳しい状況が続くと見ており、運賃改定の申請に向けて準備を進めています。

改定時期は2024年春頃。全体の改定率は平均10%ほどで、初乗り運賃を10円値上げ。家計負担を考慮し通学定期券は運賃据え置きとする見込みです。