西武鉄道の2023年度の鉄道事業設備投資計画が発表されました。

西武鉄道は、アフターコロナを見据えより一層の安全・安定輸送の実現、環境負荷の削減を目指すとともに、おでかけしたくなる駅・まちづくり、および次世代に向けた技術革新を推進していきます。加えて、それら事業の根本にある職場環境の改善を行い、お客さまと従業員の満足度向上を目指すべく、2023年度は総額251億円の鉄道事業設備投資を実施します。

23年度の鉄道事業設備投資計画の概要

1.「より安全な」「より快適な」設備の追求
1)より安心してご利用できるバリアフリー設備へ
・ホームドア整備
1日あたりのご利用者10万人以上の6駅22番線にホームドアを整備しておりますが、10万人未満の駅も含めてホームドア整備を推進します。<整備に着手する駅 8駅23番線:池袋駅(1番・7番・特急ホーム)、中村橋駅、富士見台駅、練馬高野台駅、石神井公園駅、新桜台駅、東村山駅、新所沢駅> <整備に向けた検討を進める駅 2駅6番線:花小金井駅、小平駅>

・列車運行情報提供システム整備
当社線および他社線で運転見合わせなどの輸送障害が発生した際、文字情報と路線図によりわかりやすく運行情報を提供するシステムです。

・段差解消・内方線付点状ブロック整備
2023年度は吾野駅にてスロープ設置とホーム上の内方線付点状ブロックの整備を行います。

・エレベーター・エスカレーター更新

4)より安全な踏切へ
・高規格な踏切支障検知装置の新設・更新
従来の「線」で検知する方式(光電式)から「面」で検知する方式(2D式)に更新、安全対策を強化します。今年度は新設2ヵ所・更新10ヵ所、計12ヵ所の踏切へ設置予定です。

・特殊信号発光機ATS連動化
特殊信号発光機(踏切内の異常を運転士に知らせる信号)とATS(自動列車停止装置)を連動させ、事故防止を図ります。昨年度までに11ヵ所の踏切への設置が完了しており、今年度はリスクの高い踏切から順次設置していきます。

・踏切異常検知システムの新設
踏切内にとり残された「人」を画像解析により検知し列車に知らせる「踏切異常検知システム」を開発し2022年度は5ヵ所の踏切に設置、今年度は2ヵ所の踏切に新設します。

3)車内の安全確保・防犯対策、事故分析等への活用へ
・車内防犯カメラの整備推進
車内の防犯対策・安全性向上のため、今年度は車内防犯カメラを設置した40000系通勤車両を4編成40両増備するほか、既存車両への整備に向けた準備を進めます。

・ドライブレコーダーの全編成導入
事故や列車運行への妨害行為等発生時の状況確認および原因究明を目的に、列車運行中の前方および後方映像を記録するドライブレコーダーの全編成への導入に向け、今年度より設置を進めてまいります。

2.より環境にやさしい西武鉄道へ
西武グループ全体でのCO2排出量を2030年度までに2018年度比で46%削減するという環境負荷削減目標を設定し、引き続き省エネルギー化などの環境対策を推進します。
・40000系車両増備(4編成40両)
最新技術のモーターの採用などにより、旧型車両より省エネルギー化・低騒音化した40000系通勤車両を4編成40両増備します。40000系車両は、車内防犯カメラのほか、車いす・ベビーカーをご利用のお客さまにも便利な「パートナーゾーン」も備えており、安全性・快適性向上も実現します。

・省エネルギー性能の高い走行機器への更新
既存車両も、より省エネルギー性能の高い6000系1編成(10両)の更新工事を実施します。

・サステナ車両導入

・LED照明の導入
LED照明は消費電力が低くCO2排出量削減の効果が期待できるため、駅や車両への導入を進めています。