京王電鉄の2023年度の設備投資計画が発表されました。

京王電鉄の鉄道事業においては、2023年度も引き続き、「日本一安全でサービスの良い鉄道」の実現を目指し、駅・車両の安全対策や連続立体交差事業を着実に推進するほか、自然災害への備え、バリアフリー設備の整備などお客さまの利便性向上施策に取り組むなど、安全で快適なサービスの提供を目指して、総額380億円の設備投資を行います。

【2023年度の設備投資の主な取り組み】

1.より高度な安全・安心の追求
1) 防犯カメラの設置など車両・ホーム上における防犯・安全対策
2021年に京王線布田駅~国領駅間を走行中の車内で発生した傷害事件を受けて、リアルタイム伝送機能を持つ車内防犯カメラの全車両への導入を2023年度に完了し、リアルタイム伝送機能を持つホーム上防犯カメラも2023年度に全駅設置します。(2022年度末時点の設置状況は、車内防犯カメラが656両/877両、ホーム上防犯カメラが21駅/69駅です。)

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2) 京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業の推進
事業主体である東京都および世田谷区・渋谷区・杉並区とともに、京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業を実施しています。2023年度は、引き続き用地取得や仮線準備工・高架橋の構築などを進めます。この事業が完了すると、笹塚駅から仙川駅間の約7.2km が高架化され、25カ所の踏切が廃止されます。これにより、道路と鉄道それぞれの安全性が向上するほか、交通渋滞の解消や、鉄道によって分断されていた地域の一体化が図られます。

3)ホームドアや段差隙間対策などホーム安全対策
ホームドア:お客さまのホームからの転落やホーム上での列車との接触事故を未然に防止するため、京王線は2030年代前半、井の頭線は2020年代中頃の全駅の整備を目指します。2023年度は笹塚駅(2・3番線)や神泉駅
などの整備を進めます。
ホームと車両の隙間対策:ホームと車両の隙間を縮小するため、ホームドアの整備に合わせて全駅で対策を進めます。2023年度はホームドアと同様、笹塚駅(2・3番線)や神泉駅などの整備を進めます。

4)踏切道における安全対策
踏切道内の安全性向上を図るため、障害物検知装置を従来の線検知式から精度の高い面検知式に更新する工事を進めます。

5) 自然災害への対策

2.お客さまニーズを先取りしたサービスの提供
1)座席指定列車の追加導入と運行拡大
お客さまの着席ニーズにお応えすることを目的に、2018年2月から運行を開始し、ご好評いただいている座席指定列車「京王ライナー」のサービス拡充を図るため、5000系新造車両1編成(10両)を増備します。また、昨年度に増備した車両と同様、リクライニング機能付きロング/クロスシート転換座席を搭載します。

2) お客さま案内機能の強化
「お客さま案内ディスプレイ」について、外国語による表示を可能とする多言語対応と異常時のお客さまへの案内機能を向上させた多機能化を進めます。2023年度は聖蹟桜ヶ丘駅など20駅に導入します。また、府中駅や京王多摩センター駅などにおいて、行先案内盤を従来の4色表示からマルチカラー型に更新し、視認性を向上させます。

3) 駅施設のリニューアル
新宿駅新線口改札内のエスカレーターについて、老朽化に伴う更新工事を進めます。また、より快適にご利用いただけるよう下北沢駅のホーム上屋の改修や府中競馬正門前駅・神泉駅・南大沢駅で旅客トイレのリニューアル工事を実施します。

3.さらなる社会貢献を通じた地域・社会との共生
1) 省エネルギー施策の推進
省エネ性能の高いVVVFインバータ制御装置への更新を行い、運転用電力を削減します。2023年度は、京王線8000系3編成(26両)の工事を実施します。また車両機器情報データを活用し、京王線での省エネ運転の導入を進めます。

照明の省エネルギー化
2023年度は永福町駅や南大沢駅などのホーム・コンコース照明のLED化工事を実施します。
2) カーボンニュートラルを実現した環境負荷の低い機器への更新
植物油を使用し、環境負荷が低い機器に置換えます。これにより、従来に比べ約65%の二酸化炭素排出量を削減することができます。2023年度は長沼変電所の機器更新にあわせて実施します。

4.未来を見据えた盤石な事業運営体制の構築
1) DXを活用した業務省力化等の推進
2) 職場環境改善施策の推進

(写真/画像:京王電鉄)

京王電鉄での座席指定列車のニーズは高まっているようですね。今後の運行本数などは注目です。

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