「銚電まつり」が開かれる犬吠駅前広場=2021年11月撮影=

千葉県の銚子電気鉄道(銚電)は2023年7月9日、犬吠駅前広場で開業100周年記念「銚電まつり」を開催する。大正年間の1923年7月5日に、銚子ー外川間(6.4キロ)の全線が開業して一世紀になるのを記念・アピールする催しで、当日は全線を運賃無料で運行する。

江戸時代から続く漁師町の外川から、官営鉄道の銚子に海産物や特産の醤油を輸送する目的で鉄道を建設。旅客は避暑客の利用もあったが、マイカーに押されて衰退。最近はたび重なる経営危機に見舞われるものの、ぬれ煎餅に代表されるヒット商品を送り出して乗り切った。

当日は犬吠駅前広場に特設ステージを組んで、千葉県のマスコットキャラクター・犬のチーバくんのパフォーマンスなどで楽しんでもらう。

ADVERTISEMENT

鉄道関係では、姉妹鉄道の縁組みを結ぶ新潟県のえちごトキめき鉄道や、茨城県のひたちなか海浜鉄道がブース出展。併催の「千葉・銚子に広島がやってくる!」には、銚電とイベント共催実績のある広島電鉄のほか、JR東日本千葉支社、それに成田ー広島線に就航するLCCのスプリング・ジャパンなどが参加する。開催時間は10~16時。

また、銚電は同じく開業100周年を迎える熊本・鹿児島県の第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(八代ー川内間116.9キロ)が、2023年7月22日に日奈久温泉駅で開催する100周年イベントに友情出演する。

当日は、銚電が制作した映画「電車を止めるな!」上映のほか、竹本勝紀社長がトークイベントに参加、肥薩おれんじ鉄道の古森美津代社長と、鉄道生き残り策を語り合う。おれんじ鉄道は野田郷ー阿久根間が2023年3月に開業100周年を迎えた。

記事:上里夏生