企画はファン歴12年の若手社員!東海道新幹線京都駅に「京アニ」グッズ専門店が期間限定オープン、「響け!ユーフォニアム」楽器モデルの実物展示なども

東海道新幹線 京都駅 1階「新幹線八条口改札」きっぷうりばの横に、「京アニ」グッズ専門店「京都駅 ASTY京都 京アニグッズストア」がオープンした。2023年8月4日から来年1月8日までの期間限定で展開する。8月20日までは事前予約制。
京都アニメーション製作のオリジナルグッズだけを扱うショップとしては日本最大級の品揃えを誇り、『京アニの原点』とも言われる「MUNTO(ムント)」シリーズから最新作が劇場公開されたばかりの「響け!ユーフォニアム」シリーズまで幅広く揃える。

営業期間中はJR東海の「推し旅アップデート」とのコラボや、「響け!ユーフォニアム」で使用される楽器のモデルの実物展示など、グッズ販売のみならず様々な企画が予定されている。
JR東海グループが店舗運営
店舗運営を担うのはジェイアール東海関西開発(JKK)だ。JR東海の子会社で、京都駅や新大阪駅で新幹線改札内店舗の運営などを手掛けている。
JR東海とアニメ関係のコラボといえば、ことし6月に東海道本線で臨時急行「ラブライブ!サンシャイン!!」号が走ったことは記憶に新しい。身延線の「ゆるキャン△」コラボ列車、映画「五等分の花嫁」とのタイアップ企画など、昨今のラインナップの充実ぶりには驚かされる。
しかし専門のグッズショップを設置するのは、これまでの列車を使ったコラボやスタンプラリー系の企画とはまた違ったアプローチのようにも思われる。
「京アニファンに喜んでもらえることがしたい」
企画担当者は入社3年目の若手社員で、京アニファン歴は12年と長い。好きな作品を尋ねると、「もし一つに絞るとすれば」と前置きした上で、「Free!」を挙げた。「キャラクターが魅力的で、ストーリーも奥深くて大好きです」。
いとこに勧められて見始めた「けいおん」からファンになった。小学生の頃から劇場によく行き、大学生になると通い詰めるようになった。しかし、仕事の企画は単に「好きだから」で通るものではない。発案の直接的なきっかけはコロナ禍だ。
「コロナ禍で新幹線利用者が減り、新幹線京都駅には人が来なくなりました。これは東海道新幹線京都駅の商業施設を運営するJKKにとっては死活問題です。そこで新幹線利用者に寄り添う事業も行いながら、新たに地域連携(活性化)などにも力を入れることになりました」
JR東海グループと京都のつながりは深い。ただ新幹線駅があるというだけでなく、「そうだ 京都、行こう」キャンペーンではおよそ20年にわたり寺社仏閣や伝統文化を紹介してきた。今年はJR東京駅に空也上人が大集合するという企画で注目を集めている。東の首都圏から西の古都への誘客において、JR東海はなくてはならない存在と言える。
コロナ禍で課せられたのは「新たな京都の魅力の発掘」だ。京都に本社を置くJKKのアドバンテージを活かし、JR東海が紹介しきれていない魅力を発信し、京都駅へ人を呼び込むには――そこで思い浮かんだのが京都アニメーションとの連携だった。
アニメファンには説明するまでもないだろう。同社はファンの間で「京アニクオリティ」と呼ばれるほど一目置かれる高い技術力を持ち、魅力的な作品を世に送り出してきた。「京都迎賓館」の一般公開のポスターにも採用されている。
「その素晴らしさをより広く伝えたいという思い(情報発信)と京アニファンに喜んでもらえることがしたいという思いをもって、京都アニメーション様と打ち合わせを重ね、今回の新店舗を開業することができました。自分が大好きな京都アニメーションの作品に関わっている皆様と仕事ができ、その成果を世の中に発表できて、大変幸せだと思っています」
企画実施にあたっては、京都アニメーションに初期の商品を再生産してもらう必要があった。「様々な場面で多大なご支援をいただいた」と担当者は語る。ヤマハミュージックジャパンからも「響け!ユーフォニアム」の作中に登場する楽器を拝借し、宇治市とも連携して聖地巡礼マップをもらった。
京都アニメーションとの連携はJKKの得意とする菓子等の食物販事業とは大きく異なる。店舗の規模も商品点数も多い。不安がないわけではないが、蓋を開けてみれば反応は上々だ。
「商品は言うまでもなく、展示や配布物にも大変喜んで頂けました。遠方からも大勢の方にいらしていただき、SNS上でもご満足のコメントを多数頂いています。京アニファンに喜んで頂けたことがうれしく、改めて、やってよかったと感じています」
京アニファンの皆様にはぜひ現地でその熱意を確かめてみてほしい。
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