モジュール部門で文部科学大臣賞を受賞した灘中高の「泰緬鉄道」(写真:鉄道模型コンテスト)

全国の中高生鉄道モデラーが自信作を競う、15回目の「全国高等学校鉄道模型コンテスト(鉄コン)2023」が2023年8月4日から3日間、東京の住友新宿ビル三角広場で開かれ、約1万人が来場した。参加校数154校で最も応募の多いモジュール(集合式ジオラマ)部門では、神戸市東灘区の灘中学・高校鉄道研究部が昨年に続き、最優秀賞の文部科学大臣賞を受賞した。

コンテストはモジュールのほか、写真パネル1枚分の1畳レイアウト(ジオラマ)、大型のHOゲージ車両の3部門で参加作品を募集した。

文科大臣賞の灘中高のモジュールタイトルは「泰緬(たいめん)鉄道」。タイとミャンマーを結んでいた泰緬鉄道は第二次大戦中、旧日本陸軍の手で建設されたが、戦後になって部分撤去され、現在はタイ国鉄が一部区間を運行する。沿線には景勝地が多く、鉄道ファンに人気の路線だ。

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灘中高は3Dプリンターやレーザーカッターなども使用し、河川沿いを走る地形や草木、水上住居、寺院などを再現した。

コンテストはイベント名と同じ鉄道模型コンテスト(一般社団法人)が主催し、文科省のほか、日本民営鉄道協会、JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、JR貨物、東京メトロ、小田急電鉄、西武鉄道、東京大学生産技術研究所などが後援した。

参加校数は昨年の約90校に比べて大きく増え、鉄道・鉄道模型ブームを反映。参加各校が少子化社会の中で、多くの中学生が来場するコンテストを学校PRの場として活用する様子がうかがえた。

モジュール部門以外では、1畳レイアウト部門は東京都台東区の岩倉高校鉄道模型部、HOゲージ車両部門は岡山県岡山市の岡山理科大附属高校科学部が、それぞれ最優秀賞に輝いた。コンテストは引き続き8月12、13の両日、福岡市中央区のエルガーラホールで開かれる。

記事:上里夏生

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