上越新幹線や北陸新幹線で使用されるE7系・W7系(写真:ぺいさま / PIXTA)

JR東日本は7日、上越新幹線の終電時刻を20分程度繰り上げると発表しました。ダイヤ見直しの実施時期は2024年春頃。

上越新幹線は1982年の開業から40年以上が経過しており、設備のリニューアル工事が必要な状況です。JR東日本によりますと、今後10年間でレール交換は約400km、架線交換は約800kmほどと見込まれていますが、これに加えて橋りょうやトンネルなどの土木構造物の大規模改修計画もあります。また2021年、2022年の福島県沖地震で復旧に長期間を要したこともあり、地震対策工事もさらに拡大する見込みです。

そうした状況に加え、生産年齢人口の減少に伴う工事の担い手の減少や、2024年春から建設業に適用される「働き方改革関連法」などで労働力の確保は年々難しくなっています。

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JR東日本も大型機械の導入を更に推し進め、効率の良い工事方法を模索し続けていますが、働き方改革を実現し工事を着実に進めていくためには終電繰り上げによる作業時間の拡大が必要です。参考までに、2021年3月に在来線で実施した終電時刻の繰り上げでは、夜間作業の施工効率の向上や労力軽減などの効果があがっており、一例として「TC型省力化軌道工事では1割程度の施工効率の向上」が見られたといいます。

東北・北陸新幹線における作業時間拡大については、今後の状況を見極め、引き続き検討していくとのことです。