「プロジェクト115」

ここからは鉄道ファンの皆さまに寄せて……。しな鉄が2024年1月15日に発表し、本サイトでも報じられたのが「〝プロジェクト115〟の始動」です。発表日は115系のもじり、しな鉄は同日を「115系の日」とします。

しな鉄で1997年の開業以来主力だった、国鉄近郊形115系電車も老朽化が目立つようになりました。かつては上野駅でイヤというほど目にした115系ですが、今や〝希少種〟。しな鉄も、「2028年までの115系引退」をアナウンスします。

しな鉄がプロジェクトで打ち出すのは、「115系のグッズ販売収益による塗色変更」や「塗色変更した車両を活用したイベント」。本サイトでも先日、「昭和の列車を再現!『115系電車鈍行夜行妙高高原経由軽井沢行き』」のニュースが話題を呼びました。

その115系を活用した観光列車(臨時快速)が、2014年にデビューした「ろくもん」。ネーミングは沿線ゆかりの戦国武将・真田氏の旗印の六文銭から。車内にはイスやテーブル、ファミリー向けの子どもの遊び場などが用意され、食事も提供されます。

しな鉄の一番人気「ろくもん」。タネ車は115系ですが片側3ドアのうち中央は埋められています。デザイナーはJR九州の「D&S(デザイン&ストーリー)列車」でおなじみの水戸岡鋭二さんです(写真:しなの鉄道)

115系の後継として増備が進むのが、2020年デビューのSR1系電車です。JR東日本グループの総合車両製作所(J-TREC)生まれの次世代ステンレス車「sustina(サスティナ)」で、共通仕様によるコストダウン、すべての人が利用しやすいユニバーサルデザイン(UD)などがセールスポイントです。

長野駅で特急「しなの」と並ぶ

最後は、しなの鉄道線だけですが軽井沢から長野までバーチャル乗車します。しな鉄はいい意味で、ローカル線の風情はほぼありません。各駅とも2~3両編成の列車のはるか先までホームが延びます。

軽井沢からしばらくは北陸新幹線と並走。進行方向右側に浅間山を望めます。小諸駅手前からは、前述のようにJR小海線と並走します。

上田には、しな鉄本社があります。篠ノ井~長野間は現在も残るJR東日本信越線です。篠ノ井の発車後、今井、川中島、安茂里の3駅に停車すると終点の長野。

長野駅では、しな鉄のSR1系や115系と、JR東海の特急「しなの」が並ぶシーンが見られます。長野駅は北陸新幹線、在来線とも線路は地上、駅舎は橋上の2層構造。北陸旅行時はともかく、長野への鉄道紀行なら、しな鉄は片道だけでも乗車する価値のある鉄道といえるでしょう。

記事:上里夏生

2024年4月6日12時27分追記:一部記述を修正いたしました(鉄道チャンネル編集部)

【関連リンク】