コラム【鉄の余談】06 2014年5月に廃止された江差線 後半 宮越駅〜江差駅
※2014年3月撮影
トップ画像は、JR北海道木古内駅ホーム。左の尾灯が点いているキハ40 808が11:48発の江差行。
2014年(平成26年)5月に廃線になった江差線木古内~江差間に乗るために筆者は北海道に来ています。
湯ノ岱駅から7.1kmで宮越駅。駅舎が雪の中にありました。右奥に天の川が流れています。
※2014年3月撮影
木古内駅に掲示されていた北海道新聞の記事「江差線10駅 最後の夏」の宮越駅。
※2014年3月撮影
記事には、湯ノ岱駅~宮越駅間の景色が江差線で最も美しいことが書かれています。秋には天の川渓谷を紅葉が彩ります。
宮越駅から2.2kmで桂岡駅。貨物車両改造駅舎のすぐ前に停車しました。
※2014年3月撮影
北海道新聞「江差線10駅 最後の夏」桂岡駅には「貨物発送かつては活況」と書かれていました。
※2014年3月撮影
記事に拠ると、桂岡駅は、1936年(昭和11年)11月江差線全線開通に伴い開業。1982年(昭和57年)駅員がいなくなって、1985年(昭和60年)木造駅舎が撤去されて貨物列車の車掌車改造の駅舎になりました。木古内駅から30.7km。
駅近くに鉄鉱石やガラス原料を産出する鉱山があり1955年(昭和30年)には約5万トンもの貨物を駅から発送していました。(1962刊「続上ノ国村史」から)写真の男性は、自宅が駅前の原さん。鉱山の事務員だった原さんは、閉山まで桂岡駅からの鉱石搬出に立ち会っていました。1日に数両編成の貨物列車が函館方面と2往復、最盛期はマンガン積み出しの上ノ国駅よりも貨物は多かった、と語っています。
実は、ウッカリしていて桂岡駅から2.1kmの中須田駅を撮影し忘れました。江差駅からの戻りでも江差駅で買った駅弁を食べていて撮影していないのです。
写真のない中須田駅から2.3.2kmで上ノ国駅です。
※2014年3月撮影
木古内駅構内に掲出されていた北海道新聞の記事「江差線10駅 最後の夏」上ノ国駅です。
※2014年3月撮影
記事を要約します。
上ノ国駅は、1936年(昭和11年)江差線全線開通時に開業。戦後町内の鉱山が産出するマンガンの積み出し拠点として発展しました。駅周辺には国鉄関係者も多く暮らしていて通勤通学に使う利用者も多く1961年度の乗降客数は31万5千人に達しました。元JR社員で上ノ国駅から江差高校に通学した佐藤さんは、自身も1963年から6年間駅員として上ノ国駅に勤務しました。当時、午前6時50分発の江差行の3両編成は高校生で超満員。利用者がなかなか車内に入れなかった、と話しました。現在の利用者は1日10人以下です。
車窓に日本海が見えて来ました。
※2014年3月撮影
上ノ国駅から6.1kmで終点の江差駅です。木古内を11:48に出たキハ40は、67分かかって12:55に江差駅に着きました。
1975年(昭和50年)に木造駅舎から鉄筋コンクリートの駅舎に立て替えられました。駅舎の前に「江差のゆるキャラ しげっち」。
※2014年3月撮影 オリジナル写真が縦なので加工しています
駅名標。
※2014年3月撮影
江差駅まで江差線が開通したのは1936年(昭和11年)。江差線木古内~江差間が2014年5月11日までで廃止され、駅も5月12日廃止されました。現在は旧駅の近くに江差線記念碑がたっています。
北海道新聞の「江差線10駅 最後の夏」には、廃止が決定された頃の餌市駅利用者は、日に30人程度だったが、廃止が発表されると全国から鉄道ファンが押し寄せ、江差駅で降りる利用者が日に200人以上になった、しかし江差駅に来た鉄道ファンは、そのまま駅から戻ってしまって町を観光する人がほとんど居ないのが町の悩みだと書かれていました。
ホームには、この1本前の列車で江差駅に来たと思しき方々が、折返し13:07の函館行に乗り込む列を作っていました。
※2014年3月撮影
筆者も慌てて駅弁を買って行列に列びました。12分しか時間が無かったので駅舎を1枚撮影したダケでした。
筆者も1本列車を待ってたくさん写真を撮れば良かった・・・。
これが駅で販売されていた「新・江差駅弁」870円でした。
※2014年3月撮影 オリジナル写真が縦なので加工しています
弁当は、寒海苔ご飯 鰊(ニシン)甘露煮、玉子焼き、カレーコロッケ、上ノ国フルーツポークの甘辛焼きなど、美味しくて中須田駅を撮影し忘れてしまいました。
※2014年3月撮影
列車は。14:12木古内駅に到着。1時間以上停車して15:12発の函館行になりました。16:20に函館駅に到着。筆者は、17:25の長万部行に乗り継ぎました。
そのキハ40系の写真も次回、紹介します。
(文・写真) 住田至朗
※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。
※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)他を参照しています。
※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。