物流危機に待った!! JR貨物と全国通運連盟が「国際物流総合展2025」に出展(東京都江東区)

物流分野の展示商談会「国際物流総合展2025」が2025年9月10日から4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた。日本ロジスティクスシステム協会(JILS)をはじめ業界7団体と日本能率協会が共催。鉄道関係では、JR貨物と全国通運連盟が共同ブースを構え、大量・長距離輸送を得意にする鉄道貨物のメリットを売り込んだ。
1994年が初回の国際物流総合展は、30年を超す歴史を持つ。長く隔年開催だったが、2020年から開催のない裏年に「INOVATION EXPO(イノベーションエキスポ)」のネーミングで開催。イノベーションエキスポとしては今回が4回目だ。
JR貨物は看板代わりに、もっともポピュラーな5トンコンテナ(19Dタイプ)を2段重ねでビッグサイトのホールに持ち込んだ。扉を開けた下段のコンテナでデモンストレーションしたのは、間もなく旬の季節を迎える青森産のリンゴだ。
JAつがる弘前は長くトラック輸送でリンゴを首都圏に運んでいたが、ドライバー不足が懸念された〝2024年問題〟を機に鉄道貨物にモーダルシフト。陸の鉄道のほか、海上輸送も一部併用することで、万一の災害時などにも出荷が停滞しないように工夫する。
「通運」って何?
JR貨物とタッグを組んだ全国通運連盟は、〇〇通運などの社名で各地にある通運会社の全国組織(公益社団法人)。通運はいわば鉄道貨物の代理店だ。
旅客と違い、駅に自ら移動できない貨物は、荷主~貨物ターミナルの輸送が必要になる。その輸送を受け持つのが、通運会社というわけだ。
通運は鉄道に限定した国鉄時代の呼び名で、1950年に法制化された通運事業法で規定。2003年には海運をはじめとする他の輸送モードも含む利用運送事業法が制定され、法令上で通運の名は消滅したが、今も全国通運連盟や企業名にその名が残る。
記事:上里夏生
【関連リンク】