【秋の奈良】定番&穴場観光のおすすめ混雑回避ルート!夜間拝観・紅葉からQuizKnock謎解きなどの情報をお届け、2025年秋旅は奈良へ

300年以上の歴史を持つ古都・奈良は、710年に平城京として都が置かれた場所です。東大寺や興福寺など8つの世界遺産を擁しながらも、京都や大阪に比べて混雑が少なく、奥深い旅が体験できる穴場的スポットがたくさんあります。この記事では、定番の観光スポットを効率よく巡る方法に加え、秋限定の夜間特別参拝(秋夜の奈良旅)や、知的好奇心を満たすQuizKnockコラボ謎解きといった最新イベント情報まで、奈良観光を最大限に楽しむための情報をお届けします。
JR東海と近鉄の2社で担う、古都「奈良」へのアクセス
関西の拠点となる大阪や京都から奈良市までのアクセスですが、主にJR西日本と近鉄(近畿日本鉄道)の2社が担っています。東京や名古屋から行く場合も、京都で乗り換えてのアクセスが便利です。(名古屋からは近鉄名古屋線の特急を利用する方法もあります)
【大阪・京都から】JR vs 近鉄 アクセス比較
・京都駅~奈良駅 :JR (大和路快速)約45分/¥720、近鉄 (特急)で約35分/¥1,280
・大阪駅~奈良駅 :JR (大和路快速)約45分/¥860、近鉄 (特急)で約35分/¥1,280
JRは奈良駅発着となり、近鉄は近鉄奈良駅発着です、奈良公園などの主要観光地へは近鉄駅の方が近くになります。

両社ともに、奈良への観光キャンペーンを展開中
JR東海では、俳優の鈴木亮平さんが出演する観光キャンペーン「いざいざ奈良」を展開中。キャンペーンコピー「いざいざ」は、万葉集にも見られる「誘う」という意味の言葉で、奈良への旅を誘う思いが込められています。
また、近鉄では、「わたしは、奈良派。」という奈良の観光キャンペーンを2017年から展開しています。こちらは、俳優の杏さんを起用しての様々なPRを行っています。
顧客の奪い合いで競合をしているように思われがちな2社ですが、実はそうでもないようです。
JR東海道新幹線の品川駅改札を出たスペースには、2社のキャンペーン告知の巨大バナーが、鈴木亮平さんと杏さんが、仲良く並んで掲示されていました。(この掲示は11月中旬までのようです。)

できるだけ混雑を避けて奈良を巡るには
観光の起点となる奈良公園は、東大寺や春日大社など、歴史的建造物と自然が調和した広大な公園で、野生の鹿と触れ合えることでも知られています。鹿せんべいを与えたり、若草山へのハイキングをしたり、公園内の歴史的建造物巡りなども楽しい場所です。このような奈良公園周辺の定番スポットは魅力的ですが、週末やハイシーズンは混雑しがちです。
そこで今回は、混雑を避け歴史の深みにゆったりと浸れるように「時間分散型」で奈良を周遊できるプランをご提案します。教科書で見た風景も、大人になった今こそ「まるで初めて訪れたかのような新鮮な感動」があるはずです。
【定番攻略術】午前中の「朝特攻」で世界遺産を独占
まずは「絶対に外せない定番」を、人が集中する前の午前中に効率よく回るのもおすすめです。
東大寺(盧舎那大仏)
鎮護国家の象徴、奈良時代最大の権威を伝える大仏殿へ。最優先で開門直後(通常8:00)に訪問することで、団体客が来る前の静寂な時間を確保できます。

興福寺(国宝館・中金堂)
藤原氏の氏寺として栄え、天平・鎌倉彫刻の至宝が集まるお寺です。現在、シンボルの五重塔は大規模な保存修理工事中で外観が見られません(完了は2031年度中を目指しているそうです)。その分、天平の傑作「阿修羅像」をはじめとする国宝仏像が収蔵される国宝館の鑑賞に集中するのが得策です。

春日大社(万燈籠・社殿)
朱塗りの社殿と、約3,000基の燈籠が奉納された「万燈籠」が有名です。神域である春日山原始林と合わせて、早朝の清々しい空気の中で参拝を済ませましょう。

【穴場スポット再発見】午後は「広大さ」と「静寂」を楽しむ旅
午後は、地理的に離れていたり、敷地が広大で自然と人流が分散したりする、「ゆったりと歴史を堪能できる穴場」へ移動するのが、混雑回避に繋がります。
奈良市内の「空間軸」を広げる穴場
平城宮跡歴史公園
710年に遷都された平城京の中心地 。総面積約2,500haという広大な敷地が最大の魅力で、混雑を感じさせません。復原された第一次大極殿や、VRシアターがある「いざない館」で、古代の都の壮大なスケールを体感しましょう。
アクセス: 近鉄・JR奈良駅から運行されている「ぐるっとバス」を利用すると、効率的にアクセスでき、移動疲れを防げます 。

ならまち
世界遺産である元興寺の周辺に広がる、江戸時代以降の格子戸の町家が残るエリアです。寺院の威厳とは異なる、古都の生活文化と静謐な雰囲気を味わえる場所で、大寺院観光後のクールダウンや休憩に最適です。
CM登場スポットも;重要文化財の今西家書院は、JR東海の「いざいざ奈良」キャンペーンCMにも登場した場所です。室町時代初期の書院造りの遺構で、庭園を眺めながら抹茶や季節の和菓子などを楽しめる喫茶も設けられています。

西ノ京エリア(唐招提寺・薬師寺)
薬師寺や唐招提寺を中心とする西ノ京エリアは、東大寺周辺と比べてバスや電車での移動が必要となるため、観光客が分散しやすい傾向にあります。比較的落ち着いた雰囲気で拝観できるのが魅力です。特に、唐招提寺(とうしょうだいじ)の金堂や、薬師寺の伽藍(がらん)は、その歴史の重みを静かに感じられる場所です。

世界遺産を効率よく巡る「勝手にモデルコース(日帰り巡り)」
奈良の旅を楽しむための例として、モデルコースを組んでみました。
9:00 近鉄奈良駅(スタート)→ 徒歩で東大寺へ。
10:30 東大寺・奈良公園(定番の鹿との触れ合いも)
13:00 昼食・休憩(ならまち周辺のカフェを利用)
14:30 興福寺・五重塔
16:00 奈良国立博物館または元興寺(穴場的世界遺産)
17:00 JR・近鉄奈良駅(ゴール)
上記はあくまで一例ですが、数カ所の行ってみたい場所を選び、自分なりのコースで巡ってみるのがおすすめです。
郊外の斑鳩・奥大和エリアで「時間軸」を遡る穴場
より時間をかけられる方は、奈良公園エリアから少し足を延ばせば、さらに深い歴史と静寂に出会える場所が点在しています。奈良県北西部「斑鳩町を中心とした地域」は、古くから大和政権の中心地の一つであり、世界遺産である法隆寺をはじめ歴史的な史跡が数多く点在しています。「奥大和エリア」は、奈良県の南部と東部の広範な山間地域を指し、豊かな自然と文化が残る場所です。
法隆寺・斑鳩エリア
地理的には中心部からは離れている斑鳩エリアになりますが、世界最古の木造建築として日本初の世界遺産に登録された、奈良観光の「時間軸」の起点とも言える貴重な場所です。607年に聖徳太子が創建したとされています。
周辺の法起寺には日本最古の三重塔があり、秋にはコスモス畑との絶景が楽しめます。
特別拝観:JR東海のいざ奈良キャンペーンでは、聖徳太子ゆかりの夢殿(秘仏・救世観音像は11/22まで秋季特別開扉あり)や、法隆寺×JR東海限定オリジナルお守り付きの現地体験プランが発売されています。

長谷寺(花の御寺)・奥大和エリア
奈良市中心部から離れた桜井市に位置する「花の御寺」。桜、ぼたん、あじさいなど季節ごとに美しい花々が咲き、美しい紅葉も見られます。山の斜面に張り出す荘厳な懸造りの本堂からは、奥大和の山並みを一望できます。
近鉄長谷寺駅から、徒歩で約15分ほどです。

室生寺(女人高野)・奥大和エリア
室生寺(むろうじ)は、奈良県宇陀市の深い山中にあり、かつて女性の参拝を許可したことから「女人高野」と呼ばれる寺院です。屋外に立つものとしては国内最小の、国宝でもある五重塔がたたずみ、周囲の深い緑に囲まれる静寂な環境で、心静かな時間を過ごせます。
近鉄室生口大野駅から「室生寺」行きバスで、「室生寺」バス停下車すぐです。

秋の夜限定の、世界遺産5社辞寺院でのイベントも
奈良市では、世界遺産5社寺の夜間特別参拝や、若草山からの夕景・夜景観賞など秋の夜を満喫できる「秋夜の奈良旅2025」を、2025年11月29日までの毎週土曜日に開催しています。春日大社、興福寺、元興寺、唐招提寺、薬師寺という、いずれも世界遺産の5社寺院にて行われます。夜間特別参拝ならではの、厳かな空気に包まれながら、ゆったりと参拝できます。
※開催日時や拝観料は社寺により異なりますので、最新情報をご確認ください。(一部、既に公開が終わっている場合がありますのでご了承ください。)

こちらを体験してみたいなら、土曜から日曜にかけて、奈良市内での宿泊がおすすめです。
【秋の特別企画】「知」を楽しむ奈良周遊型謎解き
JR東海は、知的好奇心を満たす特別企画として、知識集団QuizKnockとコラボした謎解きコンテンツを実施中です。「時の狭間(はざま)の秘密の頁(ページ)」は、謎解きを楽しみながら、奈良の歴史や文化を学ぶことができる現地周遊型コンテンツです。ぜひご家族連れや友人と参加をしてみてはいかがでしょうか。

開催場所:西ノ京エリアの唐招提寺、薬師寺、西大寺のほか、平城宮跡歴史公園、元興寺、奈良国立博物館など、主要な歴史スポットが謎解きスポットになっています。
期間:2025年8月26日(火)〜11月30日(日)まで
参加費:無料です(ただし、施設・寺社への入場料は自己負担)
古都・奈良は、世界遺産や大仏といった歴史的魅力に加え、QuizKnockとの謎解きや秋の夜間拝観など、知的好奇心を刺激する新しい旅の魅力に満ちています。時間に余裕のある方は、中心部の定番スポットだけでは無く、少し郊外まで足を伸ばせば、ゆったりと過ごせる場所も数多くあります。
ご紹介した混雑回避のポイントと穴場スポットなどを活用しながら、この秋は、あなただだけの奥深い奈良旅をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
鎌田啓吾
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)
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