西鉄が30年ぶりの運賃値上げ、初乗り180円・通学定期は割引拡大、貝塚線の車両更新など安全投資を加速し観光バスの吸収合併も

西日本鉄道(西鉄)は、2026年4月1日(水)に鉄道旅客運賃の改定を実施します。消費税増税時を除けば1997年以来、約30年ぶりとなる今回の改定。背景には少子高齢化による利用者減少がありますが、同時に貝塚線の車両置き換えや西鉄福岡(天神)駅のホームドア整備といった大規模な安全投資も発表されました。私たちの暮らしに直結する新運賃の詳細と、同日に実施される西鉄観光バスの吸収合併についてもまとめてお伝えします。
2026年4月1日から実施される新運賃の概要
運賃改定は2026年4月1日(水)に実施されます。主な改定内容は以下の通りです。
普通旅客運賃と初乗り料金
改定後の初乗り運賃(1~3キロ)は、現行の170円から180円に変更されます。これには、これまで別途加算されていた「鉄道駅バリアフリー料金」が含まれており、同料金の加算は廃止されます。全体の改定率は12.4%となる見込みです。
定期旅客運賃の変化
通勤定期は平均15.6%の改定率となりますが、通学定期については家計への負担に配慮し、平均割引率を現行の81.2%から82.2%へと引き上げることで改定率を9.0%に抑制しています。


約30年ぶりとなる運賃改定の背景
今回の改定は、消費税率変更によるものを除けば1997年以来、約30年ぶりです。
利用者減少と設備投資の必要性
西鉄の鉄道利用者は1992年度をピークに減少傾向にあり、2024年度にはピーク時の約7割まで落ち込んでいます。その一方で、老朽化したATSシステムの更新や変電所の建て替えなど、安全運行に欠かせない設備投資には今後3年間で292億円が必要とされています。
新型車両の導入とバリアフリー化
サービス向上の施策として、天神大牟田線では引き続き9000形車両の導入を進めます。また、貝塚線では2025年度から2027年度にかけて、天神大牟田線の7050形車両への置き換えを実施し、2026年春のダイヤ改正で朝ラッシュ時の輸送力増強を図る計画です。さらに、西鉄福岡(天神)駅では2025年度末までに全ホームへのホームドア整備が完了する予定です。
西鉄観光バスの吸収合併も同日に実施
運賃改定と同じ2026年4月1日を効力発生日として、西日本鉄道は完全子会社の西鉄観光バスを吸収合併します。
合併の目的と事業の承継
この合併は、安定的な貸切バス乗務員の確保による安全性の向上と、観光需要への柔軟な対応を目的としています。なお、西鉄観光バスの北九州地区における事業については、同じく完全子会社である西鉄バス北九州が吸収分割により承継します。
「西日本鉄道 運賃改定・合併」概要
運賃改定の詳細
・実施日:2026年4月1日(水)
・初乗り運賃:180円
【主な区間の運賃(改定後)】
・10~13キロ:360円
・22~26キロ:540円
・42~46キロ:780円
・72~75キロ:1,140円
吸収合併の詳細
・効力発生日:2026年4月1日
・合併方式:西日本鉄道を存続会社とする吸収合併(西鉄観光バスは解散)
約30年ぶりの決断となった今回の運賃改定は、単なる値上げではなく、老朽化したATSの更新やホームドア・新型車両の導入といった「将来の安全」を買い支えるための投資でもあります。
運賃検索は2月2日から開始予定です。定期券を継続利用される方は、改定前に購入するなどの準備も検討しておきましょう。新体制となる西鉄グループが、福岡の街をさらに快適に繋いでくれることに期待しましょう。
(画像:西日本鉄道、TOP写真:ninochan555 / PIXTA)
鉄道チャンネル編集部
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